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バリ島の夏休み vol.10

ホテルから海の方に歩いている時、すぐ近くの部屋で何やらごそごそしている人たちがいた。バリ島の伝統舞踊の衣装を着た女性たちが数人、1階の部屋の前にいる。道に面した部屋なので中の様子が見えるのだけど、どうやらこのホテルで結婚式を挙げるらしく、花嫁さんが準備をしている最中だった。

バリで結婚式を挙げる時、バリの民族衣装を着る方達も多いけど、この方は純白のウエディングドレス。
白人だしね、民族衣装着ちゃうよりいい気がします。

海の前のレストランでは、音楽隊が待機していた。リハーサルも始まって、思わずガムランを聞けてラッキー。ここにも民族衣装を着てメイクをばっちりした女の子たちが、レストランの階段に腰掛けて待機していた。ウブドで舞踊を見る時など待機している姿をよく見るのだけど、リラックスした時の彼女たちは本当に普通の少女で、きゃっきゃと声を上げて戯れている。これがひとたび踊り出すと妖艶な女性になるという驚き。

こういったホテルの結婚式で演奏したり踊ったりする人は分からないけど、ウブドの舞踊などは基本的に村の人たちで作っている舞踊団の人たち。ダンサーや演奏家を専門にしているわけではなくて、みんな別の仕事を持っていて、アルバイト的に踊ったり演奏したりしている。つまり、毎晩ご近所さんと踊ったり歌ったりしているわけね。

しばらくしたら結婚式が始まった。ホテルのスタッフも総出でサポートに回っている。ガムランが鳴り始めると、花嫁さんが伝統衣装を着た女性たちとともに、結婚式会場となっているレストランまで歩いて来る。控室となっていたのはホテルの一番奥で、そこからこの格好で練り歩く(?)のは結構な距離なのだけど、ホテル中の人に幸せをお裾分けしながらのパレードはとても素敵でこちらまで幸せな気持ちになった。

お式の後は舞踊が始まり、単なる宿泊客の私も、ガムランの演奏と舞踊を思いっ切り間近で楽しませてもらった。何より結婚式をサポートしているスタッフたちは、朝に晩にホテルで顔を合わせる人達で、つまり結婚式専属ではなく普段はそれぞれ色んな業務をしている人たちで、こういうところが非常にフレンドリーでアットホームなところだなと、改めて常宿のホスピタリティに触れたのでした。

部屋へ戻るため歩いていると、控室になっていた部屋で別のスタッフたちがまたごそごそしている。覗くと、今度はお部屋をハネムーン仕様に準備していた。ベッドを整え、お花で可愛らしく飾っていく。お式の後はそのままここでハネムーンなのね。バリ島のホテルウエディングもいいなー。息子に提案してみよう(笑)。

ハネムーンなのでこのお部屋は沢山の花で飾られていたけど、普通の宿泊でもバリ島のホテルはどこも部屋を飾ってくれる。ベッドのシーツが複雑な折り目を付けて模様になっていたり、良い香りがする花が1輪添えられていたり。圧巻なのはタオルの畳み方で、驚くほどそのパターンにバラエティがある。四角く畳まれていることなんてなくて、今まで見た中で一番すごかったのは1枚のタオルが象になっていた。興味のある方は「バリ島 タオル デコレーション」などで画像検索してみて下さい。すっごいのが出てきます。