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バリ島の夏休み vol.8

ビーチホテルに泊まっていても、朝市には必ず行く。サヌールにある市場は屋内で小ぎれいだから、観光客でも買い物しやすい。市場の前は夜になると、食べ物屋さんがダーッと並んで地元料理の屋台村になる。

バリの女性は毎朝市場に行く。そこで食材や雑貨、おやつ等を調達する。バリにもスーパーマーケットはあるし、それは年々増えているけど、日々の買い物はやっぱり市場。値段も鮮度も全然違うしね。サヌールの市場は良心的で、ふっかけられたりもしないし、交渉もあまり必要ない。買えよ!みたいな押しつけがましさも全然ないし、みんな笑顔で感じの良い人ばかり。バリには沢山の市場があるけど、ここの市場が一番好き。

この市場では、クエ プキスというベビーカステラのようなお菓子の屋台に必ず行く。見た目はベビーカステラだけど、もっとしっとりしててびっくりするくらい美味しい。どさっと袋に入れてくれて数十円なんだけど、いつももっともっとと沢山入れてもらい、ホテルにいる間中つまんですぐになくなってしまう。息子が一緒にいると、焼いている傍から1つ2つと息子の口に放り込んでくれて、息子もこのお菓子と焼いてるオバサンのファン。何年も行ってるけど、いつも彼女がいて、彼女を見つけるとホッとするくらい。私が毎日毎日同じ会社に通うように、彼女も毎日市場へ向かい、びっくりするくらい美味しいお菓子を焼いているのだ。

もう1箇所必ず行くのはバリの伝統菓子屋さんで、そこはものすごい人気。サヌールの市場にはお菓子屋さんが少なく、バリの人が伝統的バリ菓子が大好きということもあるんだと思うけど、出遅れるとほとんど残っていなくて店じまいをしていたりするので、サヌールでこの人のお菓子を食べたかったら早起きが必須。6時とか7時とかに行っても、もう結構売れてるし、買う人も沢山買っていくので自分の番がくるまでハラハラする。

バリの伝統菓子は、モチモチしたものが多い。有名なのはクレポンというお菓子で、パンダンという植物の葉で緑色に色づけしたお餅に、ココナツフレークを絡めたもので、お餅の中にヤシ砂糖のシロップが入っている。前にも書いたけど私の好物はダダール。やはりパンダンリーフで色付けした緑色のクレープで、甘く煮たココナツフレークを巻いてある。ダダールの方が出会う頻度が低いので、見つけたらすかさず買う。あとは外郎のようなものも多いし、カラフルな色の蒸しパンも良く見かける。米を使ったお菓子も多く、どれもその店の人が手作りしてるであろう物ばかりで、素朴で子どもにも食べさせたいおやつばかり。

バリでは朝、ほうきで掃除をしている姿をよく見かける。チャナンという草花で作ったお供えを毎日するので(なんと道の真ん中にお供えするので普通に皆蹴っ飛ばす)、前日のそれを片付けたり、植物が多いので散った葉や花を掃くのだろう。学校では子ども達が皆で掃き掃除をしているし、お店も店先をせっせと掃き清めている。そのほうきがとても使いやすそうで、母が欲しい欲しいと言う。探していたのだけど、サヌールの市場にあった。見つけてホクホクして持って帰ったのだけど、空港で預けるのにひと騒動になった。きちんとラップしてパッキングしなきゃいけなかったみたいで、その時はご厚意で、空港の方が色々材料を探してきてラッピングしてくれたのだった。このほうきが素晴らしく良くて、今まで使ったどのほうきよりもよく掃ける。隣家から大量に飛んできた枯葉もざざっと掃けるので、我が家でももはや生活必需品です。