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生き物からのラブレター

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私と海のほねなし(海産無脊椎動物)たちとの出会いや体験を振り返るエッセイ。
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#海

【生き物からのラブレター#0】ラブレター解読のためにエッセイを書いてみることにした

私はヒトデや海の生き物から膨大な数のラブレターを貰っているらしい。

郵便受けがもうパンパンだから、読んであげて!とある人に先日言われて驚いた。

え?どうゆうこと?

そりゃ私は海の生き物大好きだし、生き物と接することで学んだことはたくさんあるけれど・・・ラブレターはちょっとよく分からない・・・

と思っていたのだが、ピコーンと今閃いた。

私が出会ってきた海のほねなしたちのことを書いてみよう!

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海からの贈り物【生き物からのラブレター#37】

海からの贈り物【生き物からのラブレター#37】

2月上旬、千葉県銚子市でビーチコーミングの講師をさせていただきました。

ビーチコーミングとは、海岸に打ち上げられた漂着物を拾ったり観察したりする遊びです。

当日は、晴れ予報のはずだったのにどん曇り。そして受付時間にはパラパラと小雨が降ってきました。

あらあら、どうなることやら。

しかしいざ海岸に着いてみると、ひと目見ただけでも、ものすごい量の漂着物!

前の週は今年一番の冷え込みでした。風

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【生き物からのラブレター#20】ホタルイカの旬を私は決して忘れない

【生き物からのラブレター#20】ホタルイカの旬を私は決して忘れない

大学4年の3月。ささやかな卒業旅行に私は新潟から富山へと向かった。

友人に車を借りて海沿いをのんびりとドライブ。部活の遠征などで長野や石川へは何度か行ったことがあったのだが、富山はお隣にも関わらず立ち寄ったことがなかったのだ。

縦に長ーい新潟県。なかなか新潟から抜け出せず、やっと抜けたと思うと富山は一瞬。気づいたら通り過ぎている感じだったので、一度くらいゆっくり堪能してみたいと思っていた。

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【生き物からのラブレター#19】幻のシロナマコ

環境が変わればそこに棲む生き物も違う。人が直接海にアクセスできる海岸はみな一様ではなく、岩がゴロゴロした磯から泥どろした干潟、海藻生い茂る藻場など様々だ。

近くてもちょっと環境の違う場所にアクセスすれば異なる生き物に出会うことができるのが海の面白さのひとつだろう。

今日は佐渡の砂浜で出会ったちょっと珍しい生き物の話。

前回#18日本海の洗礼で話題にしたとおり、佐渡の海はあまり潮が引かないので

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【生き物からのラブレター#18】日本海の洗礼

【生き物からのラブレター#18】日本海の洗礼

海なし県出身の私が初めて本格的に磯採集をしたのは、新潟県佐渡島の日本海の海だった。

初めてだったので、その時は何の疑問も持たず水着に着替え、シュノーケルをつけて海に入った。

波に揺られながら、水の中で必死に目を凝らして生き物を探す。波に体を持っていかれないように支えながらだから必死なもんだ。岩の下に一瞬でも生き物らしきものが目に入れば、逃すまいとすぐに手を伸ばさなければ見失ってしまう。砂利と一

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【ほねなしエッセイ#8】吸い込まれそうなくらい青い奄美大島の海と黒いナマコ

【ほねなしエッセイ#8】吸い込まれそうなくらい青い奄美大島の海と黒いナマコ

海の生き物好きを自覚したのは中学2年生ぐらいにテレビでタコクラゲの特集を見たときだったけれど(#2参照)、それ以前から海の生き物に惹かれていた証拠が発見された。

実家の自分の部屋を片付けていた時に出てきた、奄美大島への旅日記。

奄美大島へ行ったのは小学6年生の時。しかもまさかの一人で。3つ上の姉が高校受験を控えていたため夏の家族旅行がなくなったので、母が子供だけの体験学習ツアーに申し込んでくれ

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