かっしー

地方の公立高校の教員をしています。アーカイブをメインにして、教育についてあれこれ書いて…

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地方の公立高校の教員をしています。アーカイブをメインにして、教育についてあれこれ書いていきたいと思います。 #高校 #教育 #学校教育 #成人教育(学習) #探究学習 #学校組織 #職員研修

最近の記事

【改】探究学習は方向目標を立てることが大事!

少し前に記事を出していたのですが、少し改訂しました。 探究学習は高校の教育において重要な位置を占めるようになってきました。その目標設定においては、到達目標よりも方向目標の方が重要であると考えるべきだと考えています。 この引用は前回の投稿でも使ったのですが、幼稚園の教育に感動してしまい、今回も使います。というか、単純に僕の知らない言葉で「ほ〜」という感じだったので使っています。 まず、到達目標とは生徒が学習を通じて達成すべき具体的な成果やスキルのことを指します。一方で、方

    • 学校の接続について考える(高大接続を勘違いしていた!)

      先日、とある勉強会に参加しました。対話をする場面で、同じテーブルに座っていたのは、国立大学の附属幼稚園のA先生、公立の小学校のB先生(現在、教育センター勤務)、小学校と中学校の教員を経験され最後は中学校の校長だったC先生(現在は教職大学院の非常勤講師)と私(高校教員)でした。 校種が違うと先生方の考え方も違うというのは、少し前の勉強会で知っていたので、今回はどのような会になるのかと楽しみにしていました。 最初に幼稚園の先生が「接続」について話を始めました。 この先生が勤務

      • 教科で探究学習をする!

        総合的な探究の時間が始まり、各学校、学校独自にまた、業者の力を借りながら探究学習を進めていると思います。地域や企業の力を借りながらプロジェクト型の探究学習を行うことの意味を感じている人も多いと思います。 しかし、総探を社会とつなぎ普段は経験できないことを経験させるために行うことはおそらく探究の目的の第一段階にしかすぎません。 総探の目標 自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していく (平成30年7月総合的な探究の時間指導要領より) この壮大な目標を達

        • 高校生から「先生、なぜ探究が必要なんですか?」と聞かれたら

          高校の教育課程が新しくなり「総合的な探究の時間」がスタートしました。この探究というのはこの総合的な探究の時間だけではなく、新教育課程の大きな目玉になっています。 新学習指導要領の本文中に出てくる「探究」という語句が使用された数(※1)は、幼稚園・保育園・こども園では11回、小学校では20回、中学校では42回、高校ではなんと186回となっています。それぞれの校種で増えてはいるのだが、高校では飛び抜けて多いです。教科等・科目名を除く) それだけ、新課程では「探究」に力点を置い

        【改】探究学習は方向目標を立てることが大事!

          混ざること、他者と関わることで、自分が見えてくる

          先日、高校の先生向けの探究学習の勉強会がありました。話題提供という形で活動的な高校生が話をしました。彼女のやってきたことを広げるためのファシリテーターの役を僕がしました。そこであった印象的だったことを少しここに記録したいと思います。 その生徒は、学校の探究というよりは自分自身の意志で探究をしていました。「みんなが幸せになる社会を作る」ということで、教育という切り口でマイプロジェクトを探究していました。 そのきっかけは彼女の学校の先生に「問い」を起点に話をする方がおり、その

          混ざること、他者と関わることで、自分が見えてくる

          教えすぎない授業

          とある大学の先生が本校に来校し、講演、職員研修をしてくださいました。 その職員研修で一番印象深かった内容は「教えすぎない授業をすること」でした。 「教えない授業」ではありません。何の脈略もなく、「さーこの問題を自分で考えてみようか」では手も足もでないので解けないしやる気も起きないと思います。それではなく、教えることはしっかり教えるし、その問題を解くための梯子は渡すけど、肝心な部分は自分で考えさせるために、大事な部分を「教えすぎない」授業をすることで受け身にならない生徒が育

          教えすぎない授業

          実践し省察するコミュニティ 実践研究福井ラウンドテーブル 2022

          2022年2/19・20 実践し省察するコミュニティ 実践研究福井ラウンドテーブル 2022 下はラウンドテーブルの案内PDF 長崎大学の先生の紹介で今回初めて福井大学のラウンドテーブルに参加しました。そこでの学びと感想を共有します。 2/19(土)  中高生の活動について聞いて対話を行いました。中学生も高校生も自分の取り組みをきちんと話すことができるよくできた子たちでした。特に興味深かった発表が、学校の総合的な探究の時間について探究している生徒がいました。  その生徒は

          実践し省察するコミュニティ 実践研究福井ラウンドテーブル 2022

          PBLを行う上でまず押さえるべき6つの要素

          質の高いPBL(Project Based Learning)を実現するために、参考にする6つの枠組を紹介します。 学校でPBLをやっていくときに、質を高めるために気にしてほしい6つの要素をあげます。 ※上のリンクの日本語訳を機械にやってもらったやつ。ここに直接リンクを貼るとどうしても公開できないのでQRコードを載せます。(noteの設定上の問題っぽいです。) ①知的な挑戦と成果 PBLはチャレンジの連続だと思います。そのチャレンジはなんとなくやってみようという場面もあ

          PBLを行う上でまず押さえるべき6つの要素

          課題研究における「問い」について

          課題研究における「問い」(リサーチクエスチョン)の立て方についてあれこれ書いてみようと思います。 そもそも「問い」と聞いてピンときますか? 社会における「問い」とは、問題発見力において、本質的な問題を導くもの。 職員室では、校務や業務には何らかの課題があり、しかし、日々の授業や校務が回っている状態では、その「何らかの課題」が見えにくいことが多く、放置されてしまうことが少なくありません。その場の対処的な処置で、同じようなことに何度も躓くことがあります。そこでは、その本質的な

          課題研究における「問い」について

          思考を狭くする「当たり前」を壊す!

          あたりまえ~♩あたりまえ~♩あたりまえたいそう♩ 右足を出して左足を出したら♩歩ける~♩ あたりまえたいそう♩ これはお笑い芸人COWCOWのネタである「当たり前体操」です。そう、みんな歩くときは無意識に右と左の足を交互に前に出していますよね。右、左、右、左と意識している人は少ないと思います。この無意識が「当たり前」の本質です。 「当たり前」のメカニズム 我々は、生きていく上では「初めて」の経験を何度も連続します。その「初めて」を経験する度に人は「学習」をするので「意識」

          思考を狭くする「当たり前」を壊す!

          探究学習における2つのアクション

          探究学習を数年やってきて気が付いたことがあります。それは、課題研究の進め方が上手くいっているチームに共通していることです。 そのことについて書きたいと思います。結論から言うとそれは2つのアクションができていることです。 1つ目は、「問い」の方向性を確かめるアクション 2つ目は、「問い」を検証するためのアクション です。 1つ目の「問い」の方向性を確かめるアクションについてです。探究学習は主体的でなければなりません。探究はその人の知的好奇心から、ある物事を「探し究める」こと

          探究学習における2つのアクション

          学校は地域の課題を置き去りにすべきではない。

          五島高校(長崎県五島市にある県立学校)で社会探究型課題研究を行ってきて、当時感じたことを書きたいと思います。(今も授業があっていますが、樫本は長崎市の学校に異動したので過去形になっています)五島市は、長崎県の県庁所在地である長崎市から100km西にある離島です。 長崎県は小さい県ですが、離島が多く、海岸線の長さは北海道に次いで全国2番目です。特定有人国境離島は全国15地域71島のうち、長崎県は3地域40島で特定有人国境離島地域の指定を受けています。それくらい離島が多いことが

          学校は地域の課題を置き去りにすべきではない。

          組織頼みから個の時代へ

          これは2020年9月11日の日経新聞の連載記事「パクスなき世界」の見出しです。この記事から学校の探究学習の必要性について書きたいと思います。 米ビジネスSNSリンクトインが提供するオンライン講座がたった1ヶ月で学習した時間が400万時間を超えて、世界の人が年換算で450年分超学習したそうです。このことをマイクロソフトの現CEOは「変化の中で、人々は新しいスキルを習得し機会を広げることに飢えている」と言っています。 ライフ・シフトの筆者でるイギリス学者リンダグラットンさんは

          組織頼みから個の時代へ

          社会探究型課題研究バラモンプラン(3)アクセラレート編 #5

          2018年(平成30年)は2年生が前年から引き続いて行っている課題研究の続きをしています。前年までの流れをそれまでの記事を見てください。 今年度はアクションを中心に行いました。1学期はアクションプランを立てて、実際アクションをして、校内発表会を行うというサイクルを繰り返しました。 アクションプランについて 生徒のアクションプランシートです。 (このシートは岩手県立大船渡高校からもらい少しアレンジしています) 実際アクションをすることで、これは難しいとか、ここが抽象的だ

          社会探究型課題研究バラモンプラン(3)アクセラレート編 #5

          2020年オンライン講演会「探究チャンネル」を行いました。

          ここで記事にしたいことは2つ -オンライン講演会「探究チャンネル」とは -オンラインで講演会を行っての気付きについて オンライン講演会「探究チャンネル」とは 長崎東高1年生が参加するオンライン講演会 県内外で活躍されている大人(大学生)に、それぞれの専門分野について講演をしてもらい生徒の視野を広げる。このあと始める課題研究のヒントにすることが目的。1講座30分~45分。7月30日(木)~8月7日(金)の平日、学校の放課後に実施。オンラインのソフトは基本Teamsを使用。

          2020年オンライン講演会「探究チャンネル」を行いました。

          社会探究型課題研究バラモンプラン(2)インキュベート編[1年生の取組その1] ♯4

          2017年(平成29年)度がスタートしました。2年生がNIEで探究学習を進めていることとは別に1年生はテーマを何にしようかと考えながらスタートしました。NIEのときと同様に、運良くいろいろなところから声をかけていただきました。 財政教育プログラム まずは、財務省です。6月に財政教育プログラムというものに参加をしました。 財務省の方が国家予算について講演をしてくださったあと、予算編成のシュミレーションをするプログラムで問題解決の勉強になるものでした。 特別編成チームを組

          社会探究型課題研究バラモンプラン(2)インキュベート編[1年生の取組その1] ♯4