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数学探究(タイル敷き詰め)

数学探究の授業でタイルの敷き詰め問題について取り組みました。本校には、生徒玄関へ向かう道があります。そこに正方形のタイルを敷き詰めることを想定して問題を考えてもらいました。

完全にユークリッドの互除法の内容です。

ただ、整数の分野を教えるタイミングでは正方形を敷き詰めるという話をする余裕がなかったので、ここでは1コマかけてじっくりこの内容に取り組むことにしました。

長さはこちらが勝手に設定をしました。縦645cm×横2752cmです。

目的としては、同じ大きさの正方形タイルをを敷き詰める場合、1辺が何cmのタイルを何個敷き詰めることになりますかって話にしたいところなんですが、タイルの値段とか考えていたらタイルは少ない方がいいんじゃないかとか思い始め、最初の発問は
「できるだけ正方形タイルの数は少なくしてタイルを敷き詰める場合は何枚必要か?ただし、タイルの大きさはバラバラでよい。」
としました。タイルの大きさごとの値段とかを設定するとまた別の問題ができそうだと思いましたが今回は値段は出さず枚数を数えてもらいました。

2人のグループワークで話をしながら枚数を出してもらいました。

最初は、迷いながらどうするかって話をするのですが、多くの班が図を描き始めます。そうしたらどちらか片方が1辺が645cmの正方形を書き始めるので、そこまできたら話し合いながら正方形を敷き詰めていく感じなります。

図を描いて答えを導いている

次の発問が「今度は敷き詰める正方形タイルの大きさを全て同じにする場合、できるだけタイルの数は少なくしてタイルを敷き詰めるには1辺の長さは何cmになりますか?」です。

こちらもグループで考えてもらいました。しかし、これはなかなか難しく、図を眺めていでも、先に進みません。中には、最初の問題を活用しながら解くのではないかと発展させていきました。ただ、図で解くというよりは、問題の意味を考えて解く人が出てきました。縦も横も同じ大きさのタイルを敷き詰めるのだから縦も横も同じ大きさで割れることになる。そうか、公約数だ!その中でも1辺の大きさが最大になるのは最大公約数だと、数学的な思考で式的にアプローチする生徒が多かったです。

最大公約数とあたりをつけて解いている

ここで、面白いと思ったことは、話をしながら図でアプローチする思考と式的にアプローチする思考がごちゃごちゃ出てきていることです。おそらく1人でやっていたら、図でアプローチする方法か、式でアプローチする方法のどちらかに固執しちゃうのではないかと思います。しかし、グループという別の視点が入ることで、2つの方法を行き来したことです。

ユークリッドの互除法に繋げる

最後は、図的に最大公約数の求め方の話をして、そのままユークリッドの互除法の流れに繋げました。

直で最大公約数の話をするより、一回大きさの異なる正方形タイルを挟むことで図的に考えることができることをおさせることはとても大切なことだと思います。ただ、それだけはなく、式的にも考えることを行き来できることが思考を深める方法なんだと思いました。

タイルの敷き詰めをここまで発展させることができてよかったー!と授業は終わりました。


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