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課題研究における「問い」について

課題研究における「問い」(リサーチクエスチョン)の立て方についてあれこれ書いてみようと思います。

そもそも「問い」と聞いてピンときますか?
社会における「問い」とは、問題発見力において、本質的な問題を導くもの。

職員室では、校務や業務には何らかの課題があり、しかし、日々の授業や校務が回っている状態では、その「何らかの課題」が見えにくいことが多く、放置されてしまうことが少なくありません。その場の対処的な処置で、同じようなことに何度も躓くことがあります。そこでは、その本質的な問題を見つけ出すということが大事になります。その本質的な問題を「問い」と言います。

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画像引用:https://www.question-circle.jp/contents/210317.html

それでは、探究学習における課題研究の「問い」の見つけ方を、課題研究の定義から考えていきます。

課題研究の定義
先人たちが行った研究の諸業績をふまえたうえで、社会・学術の諸問題から自分が取り組むべき課題を見出し、それに対して、客観的なデータをもとにしつつ、自分自身の考察やアイデア等で新たな知見を創造、探究し、他者と共有することで課題解決に貢献すること。
課題研究メソッド 啓林館 岡本尚也著

「問い」に当たるのは、この上の2行で、『先人たちが行った研究の諸業績をふまえたうえで、社会・学術の諸問題から自分が取り組むべき課題を見出し』のところで、何も突拍子のないところから問いを見つけるのではなく、先人たちにお世話になるのです。

それは、自分の興味のあるところから研究のテーマを考えて、そのとき考える「問い」を自分で設定し、そこから先行事例・文献・事例を当たります。そうすると、この内容はすでにわかっていこととか、こういう問題もあるのかとか、新しい発見があり、それをふまえ新しい「問い」ができます。それをいくらか繰り返し大本の「問い」を考えていきます。これを【Berry Picking Model】といいます。

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先行研究・文献・事例に当たる目的は、先人の研究を知ることで自分の研究の立ち位置を知れたり、オリジナリティ、必要性、意義を考えることができます。

この先行研究・文献・事例へのアクセスはWebや図書館で行います。

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そして、「問い」は本質的なことであることは前提なのですが、『わかりやすく』、『研究の方向性がわかるもの』が良いです。それを読む人も書く自分たちもその「問い」を見ることで理解できることが大事なのです。

課題研究メソッド 啓林館 岡本尚也著
にある具体例を記載します。

「地方の相対的貧困は子どもにどのような影響を与えるか?」
               ↓
「〇〇県にある離島の子どもたちが高校進学への進路選択をするにあたって、所得・両親の職業・家族構成などの家庭環境がどのような影響を与えるか?」

上に比べてしたの問いはわかりやすいです。具体的なんです。5W1Hを意識するとわかりやすいと言われています。

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逆に「問い」であっても課題研究の「問い」にならないものもあります。研究であることを理解しておくとよかったのだと思います。

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ぜひ参考になれば!

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