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長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』

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長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』の連載記事です。LinkedIn(リンクトイン)とnoteで連載します。
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2023年10月の記事一覧

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』21

3、頭上からの剛速球 ココロンとミシェルは、初対面ではない。 オルドローズ学院の野球部に…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』20

きびきびとスタンが促すと、 ロッカが先に立って扉を開ける。 見事な阿吽の呼吸。 「…姉上は…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』19

2、丘の上のバラ姉弟 小高い丘を登るにつれて、 風に乗って心地よい香りが流れてきた。 ココ…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』18

「…それは、父上のお考えになったことか? それともピノグリア大公国からの提案か?」 「い…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』17

第2章:川のほとりの姫君たち 1、沈む想い キュシェ川は、南のローズシティ連盟と 北のピノ…

長編小説連載中 ~第1章完了のご報告~

LinkedIn上にて、小説を連載しています。 一般公開アカウントからではなく、 会社(団体)ペー…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』16

どよどよ、と観客が身じろぎした。 盟王陛下が何かの宣言をする? いったい何が起こるのだろう? まさか、再び特別試合の開催か? 盟王は、観客の心を手玉に取っている。 「今こそ、皆様にお伝えしたい。 ここにいる、オルドローズ学院の投手、 イッケニー・コーンは、実は 私の第四子、ドグリン・ココロンである」 大多数の観客から、 思わず驚きの声が上がった。 ともに戦ったオルドローズ学院の 選手たちからも。 チームメイトにすら 明かされていなかった秘密。 噂はあった。 カリ

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』15

8、バラ山の大巨人 ココロンは、目を見開いた。 意外だった。まさか自分の父親が、 優勝旗を…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』14

右翼手は素早く球をつかむと、 懸命に本塁に向かって全力で投げた。 捕手が、呆然としてその…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』13

7、優勝旗を手にする者 いよいよ決勝戦は、最終局面を迎えていた。 九回裏の二死まで来た。…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』12

こほん、と軽く咳をして、 チャンバが会話に加わる。 話題を変えた。 「それで、盟王陛下。 …

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』11

6、自分からの声掛け 眼下に続く熱戦を見ながら、 チャンバがここまでの試合の概要を 三人に…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』10

おっさん、と呼ばれた男は、 胸を張ってランプに言い返した。 「ふん、お前には分からんか。 …

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』9

5、球場飯 少し、時間はさかのぼる。 五回の表裏の攻防が終わり、 場内の整備が行われている頃である。 観客たちは、球場内の売店、 飲食物売り場へと殺到した。 この試合の後は、しばらく 学生同士の試合を見ながらの 飲み食いはできなくなる。 行列ができたのは、 『オープン・ローズ』と書かれた 旗が置かれた店。 店の中では、イナモンの妹、 エーワーン・アズーナが 獅子奮迅の働きをしていた。 「はい、ありがとうございました! お次のお客様、どうぞ!」 「ジッグラト・スペア