良い死を迎えるためには、良い生き方を探ること / 「レジェンド・オブ・フォール」 / オールタイムベスト映画12/100
オールタイムベストミュージック100が終わったので、今度は映画ベスト100を描いてみようと思います。こちらは基本的に1記事につき1作品の予定です。過去掲載記事の中にも、ベスト100に入る映画がありますので、過去記事紹介の回もあります。
この時代、アメリカでは、すでにある程度の文化・文明の発展もあり、現代に至る道筋がすでに出来上がっていました。
反面、科学的ではない慣習は、どこか隅に追いやられていたのかもしれません。ネイティブアメリカンの教える自然との付き合い方。魂や精神、精霊の話。。
こういった言葉は、やや懐疑的に見られる向きもあるかもしれません。
でも、星野道夫さんの書籍にあった、この実話を読むと、それはもしかすると自分たちの近くにもともと存在しているのではないかと思えます。
それはこんな話でした。
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ある博物館では、アラスカ先住民族が残した、トーテムポールなどの遺物を集めて保管・展示をしていた。これ自体は、学術的な目的であり、なんら不自然な行為ではありません。ただ、ある日から、不思議なことが起きたそうなんです。
それは、収納されていた遺物の一つ、手作りの人形の事。夜が明けてみると、前の日に置いた場所とは、違う場所で発見される事例が続いたようです。
この不可思議な出来事を、先住民族の長老に尋ねたところ、こんな回答があったようなんです。
「なんら、不思議なことは無い。少女の精霊がこの人形で遊んでいるんだよ。あなたたちはこういったことにも目を向けなくてはならない」
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ブラッド・ピット演じる主人公は、一緒に暮らしていたネイティブアメリカンの教えを色濃く受け継いでいました。語らずとも、精神の奥底で、そのことを理解できていたというか。
ゆえに、、、というか、彼は、文明が進む時代の流れに逆らうような生き方を続けていくんです。それが兄との確執にもなっていく。でも、父だけはそんな彼をやさしく見守っている。。
彼の家で共に暮らしていたネイティブ・アメリカンの教えは「戦士は良い死を迎える事」が大切だという事。
ブラッド・ピット演じるトリスタンは、弟を失ってから、無意識のうちに、良い死を探す旅に出たのではないか。それは死ぬということを目的にするのではなく、良い生き方を求める事だったのではないか。
そのことに彼自身が気がついたのは、ラストシーンで描かれる家族の和解、家族の魂の再接続から、、なのだろう。
精霊に導かれた男と、その家族の物語。
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