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かつて畑だったり山だったりした景色を思い浮かべながら・・・映画「平成狸合戦ぽんぽこ」(日本映画)🇯🇵

高度成長期の開発事業というのがいかに巨大なものだったか。

東京に来る前はまったく分からなかったのですが、多摩丘陵付近を散策するにつけ、そのイメージが鮮明になってきました。

無機質にならぶ団地群、ひっそりとのこる林・・

かつてそこにあった風景を想像することは困難です。
そこに、森や畑があって、動物たちの憩いの場所であったなんて想像するなんて・・・

とまあ、こう書いてくるととても堅苦しくなってしまうのですが、このジブリ作品は、その開発の状況を、狸を主人公にすえることでとてもわかりやすく、ユーモラスに描いています。

人間と動物が共存していた時代は、もうはるか遠い昔です。

この映画は、もしかすると近くに動物達がいるかもしれない・・なんてことを思わせてくれます。

時間があったら、小高い丘に登って、下に広がる風景を眺めてみてはいかがでしょうか?

かつて畑だったり山だったりした景色を思い浮かべながら・・・
きっと、どこからか、狸の笑い声が聞こえてくる・・

そんなことをふと考えてしまいました。

声優陣も多彩ですよね。
古今亭志ん朝や柳家小さん、石田ゆり子、泉谷しげる、野々村真などなど
錚錚たる顔ぶれです。

楽しい映画ですので、ぜひご覧になってみてください。

余談ですが、、

写真家の星野道夫さんが大好きです。
とても素敵な文章を書かれるのですがその中に、以下のような内容があります。

かつて、人間と動物が共存していた時代があった。
森の中を歩いていると、熊の存在を明確に感じる瞬間がある。
でもそこには秩序があって、何かをしないかぎり、熊が人を襲うことはない。人の開発によって、その秩序が狂い、熊が人里におりてくるようになり、事故が起きるようになった。僕はこの共存関係をいつまで感じていたいとおもう・・・

星野道夫さんの文章より意訳・抜粋

というような文章でした(詳細は違うかもしれません・・)

でも今も確かに広大な森の中では人間と動物の間に秩序が保たれてる場所が
存在しているんだ・・

自分でその場所を尋ねることはできませんが、そんな事実があることに
とても安心したのを覚えています。


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