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持ち帰ろう!昆虫トラップ

「罠 失敗」で検索してみた。

投資の罠。ITシステムの罠。
物件探しの落とし穴。確実に失敗する新規事業。

なんとなく身構えるワードの数々。
他にもあります。

女性の笑顔に潜む罠。リボ払いの真実。
鼠捕り。今なら0円~!

思い当たる節はあるでしょうか。
人類の歴史はトラップと共にあったといっても過言ではありません。

そんな長い歴史のなかで
最も仕掛けられたトラップとは何だと思いますか?

そう、昆虫トラップです。

夜中、白い布に明かりを照らすライトトラップ!
ネットに熟れたバナナを突っ込むバナナトラップ!!
ペットボトルを地中に埋める落とし穴トラップ!!!

などなどバリエーションは無限にある昆虫トラップ。

夏、それすなわち老若男女、
虫さんたちを騙し出し抜くことに心を燃やす季節。

私が小さいころはもっぱら昆虫ゼリートラップでした。
近所の植木に設置されている照明の下に
市販の昆虫ゼリーを置いておくだけ。
翌日にはカブトムシやコクワガタ、カナブンが来ていたのは良き思い出です。

今回は昆虫トラップの成れの果て。
放置トラップをご紹介!

中身は無くなっていましたが恐らく
ネットのなかに餌を入れたバナナトラップの類だと思われます。
横には申し訳程度に昆虫ゼリーも。

さてこれを発見したのが秋のど真ん中。
おそらく7,8月に仕掛けたものがそのまま放置されていたのでしょう。

この罠には見当たりませんがカブトムシなどが
ネットに足を引っかけて、そのままミイラに。
なんて悲劇は珍しくない光景です。

虫さんがどうの言う前に、放置トラップは普通に不法投棄。
目的が済んだトラップは持ち帰るのがルールです。

こちらも10月に発見。中にはカブトムシのむくろが力なく横たわっています。
残った餌に誘われてそのまま出られなくなってしまったのだと思います。

ペットボトルはその材質上、
中に入った虫は、脚が滑ってしまい思うように身動きがとれません。
足場の踏ん張りが利かず飛べないことも。
だからこそ一度掛かった虫が逃げられず、
捕獲できるという利点がありますが
回収せず罠を放置してしまうと、その場で生涯を終えます。


私のいつもの山にも放置トラップが溢れています。

山道を歩いていても、脇に逸れても
あちらこちらにペットボトル と ネット。

中には効果が続いているものもありますが
ほとんどが有効期限が過ぎたようなものばかり。

特に酷かったものがこちらです。

実際に目の当たりにしましたが
写真は許可を頂き同行していたK先生からお借りしました。

中には液体が溜まっています。。。
ひっくり返してみると…

大量の死骸が。。。
100は超えているかと。

何匹かは移動できる力が残っていましたがほぼ全滅です。

おそらくクロシデムシ。
黒い鎧を纏ったような鈍い光沢を放つ国内最大のシデムシです。

シデムシは死んだ生物を食べる習性があるので
ペットボトルに雨水が溜まり、残った餌が腐敗…
そこにシデムシが集まって溺死。
また死骸の臭いが強くなり…の繰り返しでしょうか。

その習性から放置トラップに虐殺される常連になっています。

シデムシは森を綺麗にしてくれる掃除屋です。
少し大げさかもしれませんが
彼らがいなくなれば、
あちらこちらに腐った死骸が落ちている森になります。
シデムシも自然界に必要な虫です。

放置する輩の正体は業者や個人だったり様々。
採集の目的が金銭か欲求かは分かりませんが、
その目的の生物以外にも命がある
ということを理解してほしいところです。

罠を仕掛ける際は、済んだら持ち帰ることを徹底して頂きたいと思います。

また個人で楽しむぶんに罠を設置する場合は

①土地の所有者の許可を取る。その場のルールを守る。
②回収予定日を書いておく
③スズメバチなども罠に寄せられることがあるので
 人通りが少ない場所に罠を設置

などを気にしておけば余計なトラブルが避けられると思います。
罠を設置すること自体は楽しみだったり
学術的な価値があったりすると思うので
自然とほどよい距離感で楽しんでいきましょう~!!

※この記事は2019年8月に別媒体で投稿したものを再編集したものです。

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