滿 / mitsu
滿さんの佇まいは、いつも凛として美しい。
“女鳥羽の泉”の前に構える、蕎麦懐石のお店。
自ら山に入り、きのこ、山菜、鳥獣など”手ずから蒐めた野生食材”をふんだんに使って、春夏秋冬うつろう旬を味わい、季節をたのしむことを覚えさせてくれる。
店内にさりげなく飾られている農具などの古道具や活けられたお花もまた、簡素かつゆるぎなさに満ち、その美意識に、お蕎麦の美味しさは勿論のこと、毎度うっとりしてしまいます。
長野では、仕事の合間にせっせと畑を耕すひとに沢山出会うけれど、滿さんも自家栽培を目指し、畑仕事、野良仕事に汗をかき、そうして天地の恵み、命をいつくしんでお料理を出されているのだと、その一品一品から、静かに伝わってきます。
日本の美しい四季、培われた先人の知恵から、その季節と風土に合った食事を口にすることは、ファッションやメイクのような外向けのものでなく、内から取り入れる豊かさを感じさせてくれます。
今年の桜のとき、滿さんで山菜お惣菜の詰め合わせをお願いし、近くの弘法山へ登り、お花見を楽しみました。
たらの芽、こごみ、野甘草など春の山を満喫。
嬉しかったのは、テイクアウトで増えるゴミ削減のためにと、洗ってリユースできる竹皮箱を使用され、山野草がひと枝添えられていました。
目にも美しく、環境にも優しい。
大変な状況のなかでも、自分たちのポリシーにぶれることなく、良いものを、と当たり前にされている。
自家製のふき味噌やお庭の杏子の瓶詰めなどをお裾分けしてくれたり、白樺樹液を薪ストーブでことこと煮詰めた味わい深い白樺シロップ(ほんとうに希少なため、すぐに売り切れてしまったとのこと)をひとさじいただいたりと、美味しいものをご馳走になると、たちまちしっぽを振ってしまう私ですが、滿さんご夫婦の底知れぬ探究心や、独立独歩の精神には毎度感銘を受けております。
『ふるさと便』には、手臼挽き蕎麦をカリッと揚げ、削りたての粉鰹節と塩のシンプルな味付けが美味しい”あげ蕎麦”を提供していただきました。
お茶請けやおつまみに、どうぞ。
それから、ラッキーピノ的な、季節によって形が変わるラッキーチャームをこっそり忍ばせているそうですよ!そゆとこ、好き♡
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