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「部長の倒し方」から学ぶ暗黒仕事術

 サラリーマンの仕事は、新入社員から社長まで全て共通して、次の2つに区分できると思います。
 A:期限内に業務を遂行すること
 B:人を育てる(巻き込む)こと

 当然組織で働く以上、係長・課長・部長・役員と役職があり、各人の役割も異なってきます。役職が上がれば上のAの仕事の割合が小さくなり、Bの仕事の割合が大きくなる訳です。この記事では「B:人を育てる(巻き込む)こと」に焦点を当てて「暗黒」仕事術、つまりブラック職場でのコミュニケーション術についてイラスト交えて描いてみました。

 2021年7月に日本経済新聞で「学び×部長の倒し方」が全4回でシリーズ連載されました。下図①と②をご覧頂ければ分かるように、第1回目”上司は「告られ待ち」 話しかければ両思い”から始まり、記事内で実践テクニックと理論を解説。そして第4回目”上司を口説こう 仲間にしよう”といわば「サラリーマンのサクセスストーリー」が書かれています。

図①:上司は「告られ待ち」 話しかければ両思い
図②:上司を口説こう 仲間にしよう

 ここまで読んで頂き、いかがだったでしょうか?こんなに簡単に事が済めば、サラリーマンは苦労しないですよね。いわゆるホワイト企業でもブラック職場は沢山あります。そしてセットで「ムラ社会」があり、たいてい「副業禁止」の就業規則があったりします。ホワイト企業でも副業解禁できない理由の一つかもしれません。
 そして志高いサラリーマン。この人がマネージャーになると「ホワイト職場」になるかもしれません。しかし、この上がブラック上司・ブラック企業でしたら、大抵は志高いサラリーマンもダークサイドに「闇落ち」してしまいます。「働き方改革」で「ブラック企業」は淘汰されても、「ブラック職場」は無くなりません。白を黒に塗りつぶすことなんて簡単なことです。

図③:ダークサイドに闇落ち(starwars.comより)

 では先ほどの日本経済新聞「学び×部長の倒し方」は「絵に描いた餅」なんでしょうか?読者層が入社1年目なので、教科書として良書だと思います。しかしベテランのサラリーマンにとって、ちょっと物足りないかも。

図④:日本経済新聞「学び×部長の倒し方」は入社1年目が読者層

 よって「ちょっと物足りない部分」をイラスト記事にしてみました。
 改めて、ダークサイドに「闇落ち」するとはどのような状態でしょうか。冒頭に出てきた2つの仕事で、A>Bの状態だと個人的に理解しています。
 A:期限内に業務を遂行すること
 B:人を育てる(巻き込む)こと

 もし皆さんがチームマネジメントする立場だったとしましょう。人だったら当然、対人関係で「合う人」「合わない人」は出てきます。仕事で極力、「合う・合わない」を表に出さないようにしても、合わない新人には塩対応(Salt)なってしまう場合も少なからず、ありますよね。
 他方でチーム内の仕事の納期もある。保身のため正論を貫こうとします。下図⑤の通り、「合わない新人」がチームメンバーにいると正論で返します。そして上職(例えば本部長)にも正論で報告します。表向きの正論が罷り通り、「ムラ社会」は自分にとって良いように機能します。

図⑤:「合わない新人」には正論で返して、チーム内の仕事の納期を優先

「正論自体は正しいが、それを振りかざす人は間違っている」

 確かにマネージメントの仕事で「例えば5人の新人のうち、1人でも優秀な新人を見極め、育てることができたら立派だ」という組織文化もあるかもしれません。もちろん、その文化も尊重します。組織の生産性を上げるには合理的だからです。しかし「ムラ社会」で、このマネジメントの論理を適用すると、おかしなことになります。組織の生産性とムラ社会は相容れないものではないでしょうか。

 もしチームメンバーの立場だったらどうでしょうか?繰り返しお伝えしますが、白を黒に塗りつぶすことなんて簡単なことです。いくら就職活動や転職活動で頑張って、ホワイト企業に入社しても、ブラックな職場に身を置く危険も当然あります。
 このための仕事術(コミュニケーション術)として「上手にSOSを発信できるスキル」をおススメします。題して「SOS-OKコミュニケーション術」と名付けました。

図⑥:「上手にSOSを発信できるスキル」が仕事術で大切では?!

 サラリーマンとして働く上で、いろんな人が上司になります。下図⑦では女性上司を想定してみましょう。もし困りごとが発生してSOSを発信するケースを想定しますと、ただSOSを発信しても上司は困るだけ。通常、困りごとに対する課題も整理してお話しないと上司と部下との信頼関係は築けません。出来れば、対応案まで整理して報告し、上司にアドバイスを求めるのが理想的ですよね。
 しかしSOSを発信するシーンは、課題や対応案まで整理する余裕がないのが現実ではないでしょうか?そこでSOSの内容を、SOS→課題→対応の3つに分解し、1回目のコミュニケーションで「ちょっと良いですか?」の声かけと同時にSOSを発信、後の課題と対応について、お時間を頂く旨をお伝えし納期をコミット。2回目のコミュニケーションで、自分なりに整理した課題と対応を報告のうえ、アドバイスを伺うのが現実的ではないでしょうか。

図⑦:「SOS-OKコミュニケーション術」とは?

 重要なのは、上司からOKを取り付けること。問題が複雑になればなるほど、課題や対応案の整理も大変になります。よってSOSの内容を分解して上司からOKを取り付けることが、上司とのコミュニケーションのハードルを下げる一つの手段として紹介させて頂きました。
 これはブラックな職場でも適用できるはず。これでさえも叶わないのなら、職場を変えるための行動に移したほうが良いかもしれません。生きるために働くことが大切ですから。

<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>

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