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気候変動問題の盲点⑪:SDGsが目指すのは持続的な発展!

気候変動対応には、「緩和」と「適応」という言葉があります。Climate change mitigation and adaptationの訳です。

「適応」というのは、気候変動を受け入れて、自然災害の激甚化に備える対策を実行することです。つまり、大雨による洪水を想定して、被害を最小化する対策のようなことです。

一方緩和は、気候変動を止めるための対策です。
排出削減対策の中でも「電力」分に関しては、何とか技術革新が追い付いてきていると思うのですが、動力に使っている化石燃料分が問題です。

例えば、トラックの長距離輸送や船舶輸送で電気自動車という訳にはいかないのです。

✅事業植林は持続的な気候変動緩和策

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今の段階では、あまり注目されていない緩和策ではありますが、植林が、気候変動緩和にとって効果的だと思います。

毎年100億本の樹木が減少している対策にもなります。

つまり社会的価値が高いことは歴然としているのです。

ところが、経済的価値が低く、森林・林業・製紙業にとって、植林している価値が経済価値に繋がっていないのです。

そのため、世界中で植林は、社会貢献として、寄付に頼った慈善活動なのです。慈善活動では、地球温暖化を止めるだけの規模には育ちません。

それに、途上国で食べるために、森林を破壊せざるを得ない人に、1回は植林の仕事を与えられても、持続的な仕事を生み出すことはできません。

植林は、環境に良いことが分かっていても、マネタイズと持続性を担保する事業植林に育てることが難しいのです。

CSV (Creating Shared Value)という概念は、経営学者のマイケルポーターが2011年に発表した論文、「Creating Shared Value」で一般に知られるようになった社会的価値と経済的価値を両立させるアプローチのことです。

植林にもCSV的ソリューションが必ずあるとおっちゃんは信じています。

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✅事業植林を投資対象にしようとした先駆者

オーストラリアにグレート・サザン・プランテーションズという会社がありました。

今から20年前の2000年頃に、この会社の創業者ジョン・ヤングさんに会ったことがあります。

彼の話を聞いたじーじは、植林に対して持っていたイメージとかけ離れた彼の発想に何か違和感を感じました。

この会社は、植林をそれこそCSV的に社会課題と経済的価値を両立させる事業形態として創出した、いや、実験した会社だと思います。

新なビジネスモデルは、伝統的な森林産業とは違い、植林を投資事業として、個人投資家から資金を集めて植林に回すものでした。

彼がクリエートしたビジネスモデルは、実にシンプルでした。

まず、投資家から1口9千ドルで集めた投資資金で、土地を調達します。次に、その土地に早生広葉樹のユーカリを植林します。

植林から伐採まで10年の想定で、投資収益を試算して投資家を集めていました。伐採した植林木から製紙原料の木材チップを生産して、豪州から輸出するというものでした。

✅直ぐに破綻してしまった新たな挑戦

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グレートサザングループの創業者、ジョンヤングさんは、おそらく今72才だと思います。つまり、1999年に豪州証券取引所に上場した当時は51才でした。

じーじは、会計士出身の起業家に縁があって、カリフォルニア州を起点にラスベガスやハワイでゴルフ場のオペレーションを受託する会社を起業したマイケルエイビーさんも会計士さんでした。

会計士というのは、企業の帳簿からビシネスの強みや弱みを読み解く力が付くのだと思います。

ジョンヤングさんのように税制の情報にアンテナを立てて、植林への投資に対する減税措置が発表されるとすぐに、それを最大限活用したビジネスモデルを思いついたのは、会計士という背景があったからかもしれません。

さて、ヤングさんは、2006年に豪州経済雑誌ビジネスレビューウィークリーの「リッチリスト」に200億円のグレートサザン株式を所有する富豪として登場しました。

しかし、そのわずか3年後、上場から10年目の2009年に事業は破綻しました。

次回は、植林がいかにCSV的な事業として育てることが難しいかを見ていきましょう。

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