百物語97話目「嵐女」(実話怪談)
ニュースを見ていて、「今入ってきたニュースです」と嵐の活動休止を告げられた。
嵐ファンのあの人やこの人や娘・むっちゃん(大野君のファン)の顔が浮かぶ。
えらいこっちゃ……。
あれから福岡のニュースでは、嵐にまつわる聖地の紹介が続いている。
一番有名なのは、JALのCM光の道で脚光を浴びて、いまだ嵐ファンの聖地となっている宮地嶽神社だろう。
本当にいいところです。ぜひおいでください。ご飯も美味しい!
それから、桜井神社も紹介されていた。
実は福岡には、ここ以外にも二宮神社と潤神社があり、この四か所が福岡の嵐聖地巡礼となっているらしい。
岐阜の方には大野神社があるとか……。
などと、嵐関係の神社の話を見ながら、
「あ、そう言えば私、嵐女だった」
と思い出す。
仕事先が東京で福岡在住なので、定期的に上京している。その上京時に東京の天気が荒れることが多いのだ。
東京の友達は、私が上京するというと、
「また嵐がくる」
と言う。
友達だけじゃない。
全然面識のない友達の会社の同僚まで、私がやってくると天気が荒れることを覚えてしまった。
「その人って、この前も大雪のときにこなかった?」
などと言われる始末。
これでもかなり日よりを見て上京している。
風水で東が悪いときは上京しないし、占星術で水星が逆行しているときも上京しないようにしている。水星はトラフィックを司るので、水星が逆行すると交通機関が乱れるのだ。
そんなにしても、私が上京するときは、大雪台風が多い。
特に大雪にはよくぶつかる。欠航も何度かある。あなたが思い出すあの大雪のとき、たぶん私が東京にいた。
台風のせいで大島に土砂崩れが起こり、60人が行方不明とニュースを聞きながら、羽田空港に着陸したときもあった。
果ては地震――。
311の最大の余震は4月7日に来たと思うけど、そのときも東京にいた。
緊急地震速報を見てたら、大きく左右に揺れ始め、部屋ごとゆっくり動くものだから慌てた。
後で、そこがいざというときは、警察の駐屯所となる避難指定ホテルで、免震構造がされてあり、そのせいで逆に大変揺れたと知る。
地下には食糧も水の備蓄もされていて、最後まで残る一番安全なビルだよと言われた。
それでも本震のときにはいなかった。
一番やばいときは、ぎりぎり避けてはいるんです。まあ、でも私が上京するというと、友達は嵐に怯えるんですけどね。
次の上京は2月1~3日です。ノベルジャムグラントチャンピオン大会のために上京します。東京の人、気を付けて――!
晴れ女、雨女はいるけれど、世の中には嵐女もいるというお話でした。
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