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定期来訪者「クルッポー」と、常駐シェアメイト「クモーヌ」との生活


クルッポーの季節が来た。
クルッポーとは、ここ数年ある時期になると私の家に現れる鳩のことである。
毎回、毎年同じ鳩が来ているかは定かではないが、私は彼(彼女?)のことをクルッポーと名付けて呼んでいる。


最初にその声に気がついた時、私は正直その騒音に悩まされていた。
シンプルに、うるさい。
結構な早朝、どこからか聞こえてくるクルルル、クルルルという音。
なかなか近くで聞こえるため「何だこの音は?」と思って起きる。

よくよく聞くとそれはキッチンの窓の方、どうやら換気扇を通して聞こえてくるようだった。
窓を開けると時々飛び立ったと思われるバサバサッという音がするものの、その姿は見えない。
そして、しばらくするとまたクルルル...という音が聞こえてくるのだ。

巣でも作られてしまったのだろうかなんて思い、一度窓の上のあたりを見てみた。それっぽいものはなかったものの、そこには窓に直接雨がかかるのを防ぐためか小さなひさしのようなものがついていて、どうやら鳩はその上に着地して休憩(?)をしているのだと思われた。
庇のちょうど横に換気扇の排気口があるためそこから声が聞こえて来たのだ。


朝起こされるのも厄介だし、そこに巣でも作られてしまったらもっと厄介だなと思い、聞こえたら勢いよく窓を開けたり、棒状のものでひょいひょいと庇の当たりを払ってみたり「ここは安息の地ではない」ということを彼らにアピールするために色々撃退方法を考えたものの、一向に解決せず。
鳩め…と思いながら私は段々とその声を聞く度にイライラするようになってしまった。

集団で居着くようになったり巣を作られると糞害や騒音、衛生的にもかなり問題になる。
ネットでも色々と対策を調べて、鳩が嫌う音の出るものや忌避剤を置くなども考えたのだが、なんとなく同じ地球に住んでいるものとして私の都合で痛い思いをさせるのはなんだか申し訳ないななんて思った私は、ある時自分の意識改革で彼らとの関係がどうにかならないかとある作戦を思いついた。

それが「クルッポー」という名前をつけることである。

毎回同じ鳩が来ているのか、何名様でお越しいただいているのかは不明だったが、我が家の庇の上に止まって鳴いているやつは個体に関わらず皆さん一律でクルッポーと呼ぶことにした。
すると、とっても不思議なことが起こる。

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