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薬中の青唐辛子醤油


青唐辛子をだんだんスーパーで見かけなくなってきて、寂しい。
シーズンが終わる。

「薬味大好き」を行き過ぎた薬味中毒者の私。
最近は7月頃からよくスーパーに出回る青唐辛子にハマりにハマっていた。
それはあるものを作ってしまったからだ。

薬味と同じくらい辛いものも好物である私は、この夏ひらめいた。
青唐辛子を醤油に漬けて、ピリッと辛い醤油を作りたい。
そしてこれに愛する薬味を足したら、食べるラー油のような、もはや調味料とは一線を画すような最高の一品ができてしまうのではないだろうか。


そうと決まれば、薬味を一心不乱にみじん切りするのみである。
あいかわらず料理は全く得意ではないのでレシピも分量も適当ではあるが、結果、自分的にはとっても美味しくできたのでここにメモとして記録を残しておくことにする。

【必要なもの】
・青唐辛子 5〜6本くらい
・大葉 5〜6枚くらい
・にんにく 1片
・茗荷 1〜2本(個?)
・生姜 茗荷と同量くらい
・醤油
・めんつゆ
(・ほんだし)


量は全て適当だ。
あるものをあるだけ、入れたいものを入れたいだけ入れる。
にんにくは十分にパワーが感じられるので、他の薬味よりちょっと少なめでもいいかもしれない。

これを親の仇のように細かく刻んで、空き瓶に入れていく。
そこに、ほんだしと醤油を入れた。
醤油が思っていたよりも足りなかったのでめんつゆを少し足してみる。

先日誰かに「料理が下手な奴ほど大体ほんだしを入れればいいと思ってる」というようなことを言われたが、それはちょっと当たっている気がする。
なぜなら私が多用するからだ。
そしてその人の言った通り、とりあえずほんだしを入れればなんとかなるような気がして、もうほとんどおまじないのような気持ちで入れている。

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うーん、全く映えない。

ちなみに後ろに写り込んでしまったのは、私の好きなクラフトビールたちだ。
味はもちろんのこと、ラベルデザインもオシャレなのが気に入っていて、一人暮らしを始めた男子大学生のように窓辺に並べている。

とっても美味しいのでIPAなど好きな人は是非。
なんのアレでもないが勝手に宣伝する。なんらかのアレになりたいくらい好き。

In a daze Brewing(イナデイズブルーイング)

VERTERE(バテレ)

Baird Brewing(ベアードブルーイング)


違う違う。
青唐辛子の話だった。
先程の映えない方の手前の瓶を一晩冷蔵庫に入れて寝かせれば完成だ。

翌日早速瓶を開け、一口食べてみた私は、ダイレクトな辛さとしょっぱさに一度飛び上がり、そして1人静かに部屋で瓶を掲げて小躍りした。
おいしい。うますぎる。大成功。
(小躍りするってよく使うのだが、1人の場合は比喩表現ではなく本当にちょっと踊る。内緒だ。)

ピリッと効いた青唐辛子にくたくたになった薬味たち。
一晩漬けてほんの少しとろみの付いた醤油。
めんつゆを足したのもファインプレーだったかもしれない。鋭利すぎず、ほどよく奥行きのある絶妙な辛さになっている。

そしてこの醤油を活かす最高の料理がある。
「卵かけご飯」だ。
料理って、ただ卵と一緒にごはんにかけるだけやないかいとお思いかもしれない。そんなもん料理と呼ぶなというお料理上手な方はぜひ絶品な使い道を見つけてみてほしい。
そしてあわよくば私にも教えてほしい。(丸投げな上に他力本願)

さっぱり食べたい冷奴や、もしかしたらローストビーフなんかにかけるのもおすすめな気がする。(作ってないが)
唯一料理らしい料理としてやってことがあるといえば、海老やきのこ、オクラなんかを炒めて最後にちゃっと回しかけた。無論おいしかった。

でも私はやっぱり卵かけご飯を推したい。
卵に醤油をかけるだけでも美味しいのに、醤油の上を行く青唐辛子醤油をかけるなんて、さらに美味しくなるに決まっている。


私はその最強の卵かけご飯を食べながら、感動しつつもある種の後悔のようなものを感じた。
一度この醤油で食べてしまったら、もう普通の醤油の卵かけご飯には戻れないかもしれない。くらい美味しい。

たくさん作ったのにすでに残りの量を憂いてしまうような、自画自賛極まりない新たな調味料がここに誕生した。


ところで、かろうじて漬けるまでの製作段階の写真は撮ったものの、これだけ盛大に褒めておきながら料理に使った写真が一枚もない。
なぜならもう美味しそう過ぎて、写真を撮ることも忘れすぐさま食べてしまったからだ。

「皿についた身まで舐めるほど美味だった」から、なめろう。
「盗まれるように酒がなくなる」、「酒を盗みたくなるほど旨い」という意味合いからきている酒盗。それでいくと、この瓶に入っている液体は「撮忘(トリワスレ)」である。
誰かに伝えたいけれど写真を撮り忘れるほどの勢いで食べてしまうくらい美味しい、トリワスレだ。
...あまりかっこよくないので、後日もっといい愛称をつけようと思う。

こうして、私の薬中レシピに新たなメニューが誕生した。


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