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非常にタンゴな「ヘンタンゲ〜」の謎



山手線の車内。
程々に混み合う時間だったが、私はたまたま端っこの座席をゲットできた。
乗車時間が長かったこともあり、ゆっくり座ってウトウトとしていたのだが、眠りを誘うような車内のほどよい雑音の中、私の耳はある単語をキャッチした。


ザワザワ....

「ヘンタンゲ〜〇〇」

「ハハハ」

ガヤガヤ....

「ヘンタンゲ〜〇〇」

「アー!ヘンタンゲ〜〇〇!」


ヘンタンゲ?
なにやら聞いたことのない単語が聞こえてきて、目を開けると、ちょうど私の前に立っていた男性二人が仲良く話をしていた。


服装からしてサラリーマンではなさそうだ。留学生、かな。
彼らは身振り手振りを交えつつ、実に楽しそうに何かを話しているのだが、いかんせん言葉がわからない。
抑揚や発音の感じからして、おそらく中国語だろうか。


それにしても、彼らの会話にはかなりの頻度で「ヘンタンゲ〜」が出てくる。その他の言葉はうまく聞き取れなかったが、私はあまりにも何度も会話の頭に入ってくる「ヘンタンゲ」という言葉にすっかり耳を奪われ、覚えてしまった。

そして、彼らがとても楽しそうだったので、私はその「ヘンタンゲ〜」が何を意味しているのかだんだんと気になりはじめた。
ふと聞こえてきた人の会話から妄想を広げるのは私の悪いクセである。

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