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【風呂酒日和24-2】 味さと(みさと)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


梅の湯を出て、九段下の方に歩く私。
ひらけた大通りにはラーメン屋、ドラッグストア、大手居酒屋チェーンなど様々な店が並ぶ。

今日はGoogle Mapで2つ目星をつけていた店があった。通りからちょっと脇道に入り、候補の2つのお店の前をそれぞれ通り過ぎてみる。
ふむ。
しばらく立ち止まって考えた後、本日の直感を信じて店を決定した瞬間。
電話が鳴った。


なんてこった。珍しくこの後に予定が入ってしまった。
とはいえまだ、時間はある。
そして私は銭湯に行ったからには付近で一杯ひっかけなければならない呪いにかかっている。(そんな呪いはない)

うん、これはサク飲みだな。
私は足早に店を目指した。


縦長の建物。なんだか大きな家、という感じのたてがまえである。
カラカラと扉を開けるとすぐ目の前には狭めのカウンターが広がっていた。
やや早めの時間だが、なかなかの盛況ぶりだ。

寿司職人のような店主らしきおじさんがカウンターの中の厨房に収まっている。
「いらっしゃい、何名ですか?」と、奥からまた別のおじさんが現れた。
1人ですと言うと「ここか、上でもいいですよ。」とのこと。

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