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【風呂酒日和38-2】 鳥清(とりせい)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


うーん、惨敗だ。
神代湯を出てすぐのところで目をつけていたところが一軒が店休日。
もう一軒は開いていたものの、煌々と明るい店内が外からも丸見えでおじさんが2人、すでに調子良く飲んでいるのをママっぽい店員の奥さんがたしなめていて、おや、こういう感じ?となんだかメニューとのギャップを感じてしまい、ふらっと別の店を探し歩いていたのだ。


しかし、柴崎駅。
そんなにひらけてはいない。
マップと自分の眼を駆使して探すもご時世的に休業しているところも。
ポーランド料理、韓国料理もちょっと気になったが、今日はなんか違うんだよなぁという気分。

うーん、これはまずいぞ。
この感じ、ダメな方にハマった気がする。
一度こうなると「ここだ!」を見つけるがなかなか難しい。


そう思いながら何度目かのじゃあここはどうだ!の店を目指す。
店前に来て、私はしょぼんと諦めた。
店はやっていたのだが、そこは立ち飲み屋だったのだ。
私は申し訳ないが立ち飲み屋には入らない。

ちょっと小汚いお店も、おじさんばっかりのお店も大好きだ。
立ち飲み屋にも美味しいお店や楽しそうなところがいっぱいあるのはわかっている。
とても魅力的ではあるが、立ち飲み屋だけは行けないのだ。
理由はただ一つ。座りたいからである。

立ち飲み屋の前でがっくりと肩を落とす私。
そしてそのちょうど向かいに灯る、大きな看板と鳥清の文字が目に入った。
鳥清。焼き鳥か…チェーン店だろうか。
創業何年って書いてるってことは歴史がありそうだ。

今日はここしかないか、と失礼ながらもちょっと諦めたような気持ちで私は扉を開けた。

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