【風呂酒日和137-2】 柳樽(やなぎだる)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。

【風呂酒日和】〜ついでのお風呂、のついでのお酒〜｜日野笙 / Sou Hino｜note

さかえ湯を出た私は駅とは反対方向、恵比寿の方へ向かう。
今日はマップ検索により一目惚れしたところに行ってみたい。私の直感がここだと言っている。
大きな通りをどんどん進んでいくとなんだか見覚えがある通り。あ、ここ改良湯の近くだ。

神社みたいなところをくるっと曲がるとすぐに現れた柳樽。ここだ。
どうやら隣も居酒屋さんっぽい。見た目はどちらかというと隣の方がエブリバディウェルカムな空気を出しているが、私の目的はその隣。
中が見えない引き戸を勇気を出してカラカラと開ける。

こじんまりとした店内。手前のテーブル席には先客が2名。奥のテーブルとカウンターが空いている。
ひょいっと顔を出すと右手カウンターの向こう、厨房から店主と思われるおじさんが「え、なんですか？」と言うような顔で私を見つめる。むむ、このパターンか。

「こんばんは。一人なんですが、大丈夫ですか？」