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結婚について

一度失敗している私には、結婚について語る資格はないかもしれない。けれど失敗したからこそ話せることもある。

今となってはもう結婚しなくてもいいかなって思っている。ただそれは一度は結婚し、そして失敗したからそう思うだけかもしれない。ただこの先もっと年をとったら考え方が変わるかもしれない。

若い頃は結婚というものについて漠然としか考えていなかった。ちょうど適齢期だったし付き合っていたから結婚するんだろうくらいに思い、人生を共にするとか深いことは考えていなかった。「一度は結婚してみたい」そのくらいの感覚だったと思う。そう思うことは悪いわけではないと思うし、それが普通だと思う。結婚はタイミングという言葉がある通りあまり深く考えるものではないんだと思う。

いざ結婚してみるとやはり恋愛の延長ではないということを改めて思う。私と彼という二人の世界から、お互いの家族まで広がっていくつきあい。子どもができれば、その子どもの世界まで広がっていく。

今までなかった感覚でもあり、幸せもあれば戸惑いもある。それでも新しく築いた家族というものを育てて強い絆を結んでいくのだろう。

結婚とは婚姻届を出すことで法的な夫婦となることをいうのだと思う。もちろん事実婚もあるが一般的にはそうである。この婚姻届はたった一枚の紙でありながらも人生を大きく変えるもの。それでも結婚したときはそれほど大きなものと思っていなかった。ただ好きな人と一緒に住むことができるくらいに感じていた。

この婚姻届の重要さがわかったのはこの結婚生活に疑問を持ち始めたときだった。この一枚を無かったことにするための労力は並大抵ではなかったし、心身ともに消耗する。

幸せな結婚とは、その婚姻届の重要さを意識しないでいられることだと思う。夫婦となり、そして自然と家族と思えるようになることなんだと思う。

「再婚しないの?」と周りから言われることがある。この質問に対しての回答にいつも困る。家族の温かさも知らないわけではない。一度失敗して慎重になっているということもある。

しかし、それ以上に私くらいの年令の再婚となると私も相手もいろいろと抱えているものがある。

「婚姻届」の重要さをずっと意識しつづけることになるだろう。そう思うと恋愛ごっこしているのが一番幸せではないかと思ってしまう。

結婚はゴールではなくスタートだと言われる。だとすると結婚しなかったらスタートすることもできないのか。いや結婚してもしなくても人生はスタートしなくてはいけないのだと思う。だから結婚する幸せもあるし、しないという幸せもあるはず。

「結婚しないと、老後寂しいんじゃない?」

たしかに寂しいかもしれない。心配して言ってくれるのかもしれない。けれど寂しいかどうかは私が感じることであり、そこに至る決断や思いは誰もわからないのだから。

この先、考え方が変わるかもしれない。

それでいいのではないかと思う。