着物でお帽子・2「芸能人からナンパされる」
着物が好きです。
そんなわけで、着物について語る記事シリーズ第二弾。
前回の記事はコチラ→着物でお帽子・1「自由に楽しむ普段着物」
「着物を着てるとハーフの子が産める」「着物を着てるとお金持ちにナンパされる」という銀座の呉服屋さんのコピーが炎上したのはまだまだ記憶に新しいですよね。私もこの件に関しては「なんじゃそりゃ」という感想しかありません。
着物を着てオシャレをすることを「自分のため」「着物が好きだから」「日本文化が好きだから」といった理由で楽しんでいる人にとっては、ありえないことです。
「(外国人やお金持ちに)モテるため」という理由で着物を選ぶ人がいるかもしれないことは否定しません。しかし、それを着物文化を守るべき呉服店の側から発信するとは。
しかし、よく考えてみると、私自身、着物を着ていてナンパらしいモノをされたことが何度かあったのを思い出しました。モテた訳ではありませんが(笑)、どれも素敵な想い出です。
ナンパについては、皆さんそんなにご興味ないと思いますので、後でこそっと書くことにしますね。
着るものを選ぶ時に大切なこと
モテるために着物を選ぶのはもちろん、モテるためにお洋服を選ぶのも、何となく本末転倒で、大切なものを見失っているように思います。
大切なものは何か、と言えば「大好きなものを自信を持って着る」こと。
着物が好きで、自分にはこの着物が似合うと思って着ている人は、きっとすごく輝いていますよね。着物の魅力をもっと伝えたい、もっと個性的に自分だけの着こなしをしたい。そう思って日々工夫しているような人の周りには、惹きつけられて多くの人が集まります。
「モテるから」「ハイクラスな女性に見られるから」「女らしく見られるから」といった理由で着物を着ることを否定はしません。でもそういう気持ちで着物を着ても、内側からにじみ出るような魅力は出てこないのではないでしょうか。
でもこれって、着物に限った話ではありません。着物に関しては「モテ」を否定する人も、お洋服を選ぶ時には、つい男性目線になっていませんか?
「自分で着るものは、自分のために選ぶ」
そろそろ、それが普通の社会になってもいいころだと思うんです。
神楽坂でナンパ
さて、それではナンパ話です。
着物を着ていてよかった、といちばん感じるのは、2010年の冬に、とある出版関係のパーティーで、ある方にナンパされたこと。テレビのロケ番組で人気のYさんでした。
派手な帽子と着物が目立っていたのか、突然Yさんから「キミ、何してる人?」と声をかけられました。あれ?この人、見たことある!
Yさんの番組は当時BSでの放送でしたが、我が家にはBSが映りません。ちょうど帰省時に義父が「この番組面白いんだよ」と言って一緒に見ていたのをYさんとお話するうちに思い出しました。「オットの父が大ファンなんです」と言うとYさんは喜んで、自分の主催する、とある創作の会に誘ってくださったのです。
Yさんに「義父にはなんて言えばいいですか?」と尋ねると「ナンパされたって言いなさい」とおっしゃいました。Yさんの番組では、これという美女はナンパするのがお約束。
まぁ私はどこからどう見ても美女ではありませんので、本当にYさんのリップサービス。番組通りのスマートで素敵な方でした。
それから名古屋に引っ越すまでの一年くらい、Yさんの会に通いました。
そこには私など普通にはお会い出来ないような著名人や、素晴らしい方が大勢いらしていて、本当に夢のようでした。私が着物を着て行くと、次回からは他の参加者の皆さんも着て来て下さったり、文壇バーであるジャーナリスト(今は政治家)の方の誕生パーティーをしたり。今思い出しても、現実とは思えません。
あの頃の私は何者でもありませんでしたが、変な帽子に派手な着物を着たヘンテコな子が来て、なんか面白いと、かわいがっていただけたようです。もしも着物を着ていなかったら、Yさんから声をかけていただくことも、みなさんに、かわいがっていただくこともなかったでしょう。
残念ながら、私が名古屋に引っ越して数年後、会は終了してしまいました。
Yさんがどんどん有名になって、多忙になってしまったからです。
もっと有名になって、あの会にふさわしい人間になって参加したい。ひそかに持っていたそんな夢を果たせないままになってしまったのが、ちょっと残念です。
銀座でナンパ
次のお話は、まさに銀座での出来事。
銀座で書の展示(オットの趣味は書)を見たあと、和光前でパシパシ写真を撮っていたら「あの・・・」と声をかけられました。
振り返れば、カメラを持ったおじいさま。
あ、もしかしてお邪魔してた?と、どこうとすると
「あの、写真撮らせてもらっていいですか?」
「は?」
「あなたの写真を撮りたいんです」
ああ、そういうこと。
と、オットが自分は関係ないとばかりに、脇にどこうとしたら
「いえ、お二人で」
え?ふたりで??
不思議に思いながらも、おじいさまのお持ちのカメラに収まったのでした。
この写真は、オットがおじいさまと私を撮ってくれたもの。
そして、最後におじいさまに、我が家のカメラでもオットと二人で撮ってもらいました。
「いやぁ、あなたたち、素敵ですよ」
そんな照れくさい言葉を残して、おじいさまは去っていかれました。
ナンパと言っていいかどうかわかりませんが(絶対違う(笑))、うれしいできごとでした。
うん、やっぱり着物を着るといいこといっぱいあります。思わず声をかけたくなるくらい素敵に見えたなら、それこそ本望ですよね。
私も久しぶりに着物を着たくなって来ました。
実は私も、ここ数年すっかり着物とはご無沙汰なんです。
その理由は次の記事に。
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