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着物でお帽子・4「テレビ局よりメールが届く」

着物が好きです。
そんな思いの丈を3回にわたってお届けしてきました。

着物でお帽子・1「自由に楽しむ普段着物」
着物でお帽子・2「芸能人からナンパされる」
着物でお帽子・3「行き詰まる個性」

1、2回は東京時代の素敵な想い出でしたが、第3回は名古屋での黒歴史。

そして今回、タイトルを読んで、
「おお!ついにテレビからお呼びが?」
と思われたあなた。。。そう、そうなんです。

確かにテレビ局からお声はかかったのですが。。。

ある日届いたメール

ある日、某在名テレビ局のADを名乗る女性からメールが届きました。

「はじめまして。私はCテレビのOと申します。

タイトル(※Cテレビ制作の番組)』の担当をしております。

ひよ子さまのブログを拝見しましたところ
「毛フェチ」と書かれているのに大変興味を持ちました。

よろしければ、少し詳しくお話を伺いたいのですが、
いかがでしょうか」

そのメールを見て、一瞬何のことかわかりませんでしたが、
すぐに「ああ、あれか」と思い出しました。

実はワタクシひよこ、
周りの人には割と公言して、ちょっと引かれたりするんですが、
毛深い人が好きなのです。
(すみませんすみません。
本当にどーでもいい情報なので、秒速で忘れて下さいませ)

で、ちょっと面白がって、
当時書いていたアメーバブログのプロフ欄に

こんな感じで書いていたのですね。
単なるネタのつもりでした。

その後、O嬢から電話があったのか
メールをやり取りしたのか忘れましたが、
私たちはテレビ局へ「面接」に出向くことに決定。

私はバリッと着物を着こなして、颯爽とテレビ局へ。

結果は、想像以上にちゃんと「オーディション」でした。

毛フェチ度判定オーディション

面接会場の、小さな会議室という感じの部屋には、
ずらっと10名近くのプロデューサーやディレクター陣が並んでました。

感じたのは、テレビ局見学的な軽いノリで行ったのなど、
たぶん私たちくらいだということ。

ほかの人たちはきちんと「自分たちの芸」をその場で披露して、
何とかテレビ出演するチャンスを得よう!と必死な人たちばかりでした。

前の人たちが、ディレクター陣も引くくらいの
アクロバットな演出を披露した後で、
私たちの順番が回ってきました。めっちゃやりにくいがな。

そんな私たちのいたたまれない空気を察したのか、
ひげを生やした、いかにも「ディレクター」という風貌の
おひげの男性が、にこやかにフォロー。

「あ、さっきみたいな人はまれで、
ほとんどの方は緩いトークが中心の番組なんで」
と言ってくれて、ちょっとほっとしたのでした。


ところが、甘かったーーーーーー!!

最初は和やかだったのです。

まるで狙ったかのように、
なぜか毛深い人の多い番組ディレクター陣。

笑顔で胸を開いて「僕の毛はどうですか?」
という質問攻めに遭い、苦笑いする私。

ところが、途中からだんだんと風向きが変わって行きました。

ワタクシひよこは、さんざん「イタイ」と言われ続け、
最終的には、毛フェチ度が足りないよねぇ、
という苦笑い
とともに
(まぁ当たり前だよな、ネタなんだから)
面接(オーディション)は終了したのでした。

自己紹介がてら、イラストと写真の作品集を
それぞれに持参したのですが
オットの写真に関しては
「これは本物だね」
と感心したり、旦那さんはいい感じだねーと、べた褒め


肝心の私のリアクションがダメってことで、
とーぜん、オーディションには落ちました・・・

オーディション後に考えたこと


後日、女性AD・Oさんからは
「また「毛」について研究されて詳しくなられたり、
それ以外でも面白いネタがあったらぜひご連絡くださいねー」
というメールをいただき早7年

今もその番組は続いており、全国ネットに昇格。

毎週楽しみに見ながら
「あのとき『毛フェチ』としてテレビに出ていたら、
どうなっていたんだろう?」
と想像する日々。

まぁ、出なくて正解でしたよね。どー考えても。

それはさておき。

今にして思えば、恐らく、ディレクター陣は
「イタイ」と私をいじることで、
リアクションを見ていたのでしょう。

番組に出るからには、
相当変態的な「毛フェチ」でなくては
「ネタ」にもなりませんよねぇ。

「こういうときは

『私の好きな毛は”トルネード風巻き毛”です』
とか
『毛の渦は左向きが好き』

くらい、自在に出てこないとだめですよ」
と、ヒゲのディレクターさん。

とっさにそんな言葉が出てくるなんて、
芸人か、相当変態な「毛フェチ」じゃないと無理だよ!
(いや、その変態さを求められていたわけですが)

とはいえ。。。
打てば響くようなリアクションは、
やはり身につけたいと思う今日この頃。
(テレビには出なくてもいいけど)

この時の出来事は、いい経験になりました。

現在は都心へ引っ越して、
ピッカピカの新社屋ですが、
まだ陸の孤島にあった頃の貴重な写真。
(って書くと、どこの局かバレバレですね(笑))

一緒に映っているのはAD・O嬢。
そうそう。この着物は名古屋・大須観音の市で買ったものです。

着物に日本髪

その後、私の着物ライフに劇的な変化がありました。

あるイベントで知り合ったグラフィックデザイナーさんは、
毎日着物を着て過ごすという方。

その方の趣味が、なんと「日本髪を結うこと」だというのです。
当時の私は髪が長く、バストトップより長かったのですが、
それだけあれば十分結えますとのこと。

趣味とは言っても、
定期的に京都のお師匠さんのところまで習いに行き、
その頃すでに、結婚式で花嫁さんの髪も結うようになられた、
ほとんどプロ。

ちょうどそろそろ髪を切りたいと思っていたところなので、
記念に結っていただくことにしました。

イメージは江戸の町娘
花魁や舞妓なら京都などでもできるけど、
町娘ってなかなかないでしょ。

完成後、尾張徳川家の別邸・徳川園を散策し、名古屋城へ。

加藤清正像の近くを歩いていたら、
外国人の青年に声をかけられました。
私と一緒に記念撮影したいとのこと。

オットが撮った写真。

これとほぼ同じものをスマホに収めて、
彼ははるばるドイツまで、帰国の途についたのでした。

名古屋城を「So,beautiful」とつぶやきながら、
静かに眺めていたのが印象的でした。
そのへんの日本人よりよほど城を愛してはるわ。。。

それにしても彼は私を周りの人に
どのように紹介したのでしょうか。

「名古屋にいた芸者ガール」でしょうかね、やっぱり。

残念ながら、これ、
前述したように江戸時代の町娘の扮装。
芸妓や舞妓の髪型とはちと違う。

それはさておき、
よもや私が絵描きだとは思いもしないだろうなぁ。。。


どちらにしても、
遠い異国から来られた方の
旅の想い出に花を添えることができたなら、
よかったと思うのです。

だって、外国人にしてみたら
「なんだ、日本人全然着物着てないじゃん!
ってガッカリかもしれませんよね。

そういえば、鎌倉でも外国人に
勝手に記念撮影めっちゃされてましたし。

やっぱり着物は楽しい!
着物を着ると、きっといいことあるよ!
秋になったら着ます、絶対に!

(長々とお付き合いいただき、
ありがとうございました!(完))

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