子どもと優越感

児童精神科医 佐々木正美先生の言葉で

他の子どもよりなにかがよくできることによって自信のある子に育てようというやり方の育児は、子どもの本当の自信を育てることはできない。
もっとよくできる人の前に出ると、劣等感に変わってしまう。
さらに悪いことには、自分より何かができない人の前では、その感情は優越感に変わってしまう。

とありました。
人を見下すことで優越感を得るのは本当の喜びなのか、

放デイの子どもたちは集団生活で傷ついてきた子もたくさんいました。しかし子ども同士罵(ののし)ったり、弱点をつくような子はそんなにいませんでした。
自分よりも発達の遅い同い年の子を助けてあげたり、大人よりよっぽど社会性に富んでるのではないかなと思ってしまうこともあります。
子ども同士では個性を受け入れあって相互作用しています。その環境を作るのには時間と職員同士の協力が必要で、継続することにも努めていました。1人新しい子が増えると環境が変わりますから。学校ではそうでない(らしい)姿の子どもたちも、環境が変わって自分を受け入れてもらえる空気に入り込むと優しさを膨らませます。

私の子どもが好きだという気持ちを強くさせるのはそこだなと思います。
私も自分のことが嫌になったりすることももちろんありますが、子どもはいつも私を好んでくれて、慕ってくれる。
それだけで私自身も救われています。
子どもに見られていることで私は自然的な欲求だけに流されずに自律しているんでしょう。まさに相互作用。

自分よりも強いひとやすごい人を素直に認めて拍手を送れる人間になりたいですよね。相手を認めることや優しさは、自分だけで作れるものではありません。誰かに貰って積み重ねて、満たされたら誰かにあげられるもの。生まれ持って優しい人はいないと思います。

発達検査を受けたり、相談をすると保護者の方はますますお子さんのマイナスばかり見えてしまうような気がします。
もっといいところへも着目して、それを認めてあげられるようになれたら
みんな優しい気持ちになれそうですね。課題の無い人間はいません。弱さや脆さは1人の時は物理的に欠点になりますが、たくさんでいるときには愛しさになるような集団で生活させてあげたいものです。

今大きく環境が変わった学校へ登校している子どもたち。少しでも安らぎを持てる時間があればいいなと願います。

お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。