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ここ数年間の学校教育で悪くなった点

学校教育で、ここ数年で状況が悪化したことについてまとめてみました(2024年8月更新)。


◯◯教育など学校の業務負担が増加した

文科省は教育を充実させようと、次から次へと新しい政策を打ち出し実施しています。新学習指導要領(小中学校:2021年実施、高校:2022年実施)にて、小学校英語教育の教科化(5〜6年生)、高校の学習内容を下ろし授業は英語で行うなどの英語教育の高度化(中学校)、プログラミング教育(小学校)、キャリアパスポート(小中学校・高校)、道徳の教科化(小中学校)、観点別評価(高校)、などが新たに始まりました。そこにさらに、検温消毒・コロナ濃厚接触者の特定(小中高)、ICT機器の保守や管理(小中高)、不登校生徒の成績反映(小中)不登校生徒への同時双方向型授業配信(全日制高校)、など新しい業務がコロナ禍により加わっています。

一方、減ったものは座高測定とぎょう虫検査のみだそうです。同じ教員数のまま、業務を一方的に増やしています。これでは教員はどんどん疲弊して行くことは容易に推察できます。

実際に、教員も子どもたちも、求められるものが多すぎて疲弊しています。それを裏付けるデータが以下の項目で紹介する、不登校と教員の病休・休職の増加です。

不登校の子どもが増加した

不登校児童生徒の数は年々増加しています。2022年度に年間30日以上欠席した不登校の児童生徒は29万9048人となり、21年度より22.1%(5万4108人)増え過去最多を記録しました。なお、2021年度に年間30日以上欠席した不登校の児童生徒は24万4940人であり、20年度より24.9%(4万8813人)増えていました。10年連続で更新し続けています。前述のように、今の学校教育は多くのものを詰め込む教育です。また、学校では少ない教員が多くの子どもを指導するため、個別の事情を考慮し難く、一律的な行動規範を求めざるを得ません。このような学校生活では、学校へ行くことに疲れてしまう子どもが多くなってしまうのも頷けます。

多様な子どもたちがいることは認識されているものの、後述のように支援をする学校・教員側が疲弊しています。個別に支援をしたりケアをすることが難しく、支援が必要な子どもを支えることができていない現状もあると思います。

精神疾患になる学校の先生が増加した

令和4年度に精神疾患で病休・休職している教員の数が過去最高を記録しました。学校は長時間労働が常態化しているストレスフルな職場です。教員の感じるストレスは非常に高いです。また、教育だけでなく子供のケアなどの福祉機能等、社会から求められる業務が年々増加しています。月の長時間労働が減らない中、業務負担が伸し掛かり、働けなくなってしまう教員が多くなっているのです。

先生の欠員が増加した

令和6年度5月時点で、全国の公立学校での教員不足が4037人になっていることが判明しました。これは令和3年度4月1日時点での教員不足数2千500人から悪化しています。担任が突然病休に入ってしまっていない、代替の先生が来ず授業が受けられない担任の先生がいない、などの事態が多々発生し、子どもが教育を受けられない状況が増えました。

産休や育休だけでなく、病休に入って年度途中で先生がいなくなることは今までもありました。しかし、今までは教員採用試験に合格せず教職を希望し待っている人たちがそれなりにいたため、代替の講師の先生が程なくして学校に来てくれていました。しかし、今では教職不人気のためにその講師の先生がおらず、何かの事態で先生が足りなくなった際にすぐに来てもらえることが非常に難しくなりました。結果、授業は数ヶ月ストップし、子どもの学びの機会が損なわれる事態も生じています。

まとめ

ここ数年で状況が悪化した学校のことについて紹介しました。学校の詰め込み、子供の不登校、教員不人気、教員の精神疾患などは、一見すると無関係のようですが、関連していると思われます。子どもにとっても教員にとっても、学校がつらい場所になってしまっているようです。

間違った舵取りを長年してきたツケが、ここで顕になっているのでしょう。どうしたらいいのでしょうか。

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