長編小説「きみがくれた」下ー⑬
「右腕」
両手に一つずつカゴに入った花鉢を持って霧島が戻って来ると、亮介は3つ目の花束を包み終えるところだった。
「この後まだ寄せ鉢と花鉢が2あるからおまえそこのテーブルでやれ」
亮介は顎でそう指しながら勢いよくフィルムを引き出し上から真っすぐにハサミを入れた。
「どうなっても知らねえからな」
霧島は亮介の後ろへ回り、色紙を2枚切り出すと脇のテーブルの上に置いた。
それから横にずらりと並ぶ色とりどりのリボンの中から水色と“若葉色”の2本を引き出すと、片手の先にスルス