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Emotional blackmail感情的な恐喝とは?人々の生活に及ぼす影響と対策

感情的な恐喝とは


「私の意見を聞かないと痛い目にあう」
「友人の奥さん/旦那さんはみんなそれやっているから、なんであなたはやれないの?」
「あなたがしたことは私を悲しませるし、失望させた」
こんな言葉を聞いたことはありませんか? 

職場や家庭の人間関係で、「やりたくないのに無理してやっていた」ことはありませんか?
あなたは今まで、誰かに命令され続け、関係を失うことを恐れて何も言えなかったことがありますか?
これは、Susan Forward(2004)が「Emotional blackmail」と呼ぶもので、大切な人との関係を維持するため、卑下されないため、不安を軽減するために、やりたくないことを繰り返しさせられるときのことを指します。
多くの心理学書籍では「けじめ」を説いていますが、集団主義を重視する東アジアの文化では、これを実行するのは困難です。

親は「そんなことを続けるなら、息子/娘として認められない、出てけ」
パートナーは、「あなたは何でやりたくないでしょう、パートナーだからやるべきことでしょう」
上司は、「君が優秀だからこの仕事を任せたんだ、やりたくなきゃ君の代わりはいつでもいるんだ」
たった一言で大切な人の気分を左右すること(されることも)よくあります。

私たちの文化では、感情的な恐喝は自然なスキルであるようです。お互いの距離が縮まることですが、一方で、家族、友人、パートナーとの間は自分のポリシーがなくなり、自分を見失ってしまうことです。

感情的恐喝の特徴

感情的な恐喝には、6つの重要な特徴
1、脅迫者は「要求」をする 
2、脅迫された人は「抵抗」したがる  
3、脅迫者は、脅迫された人に「ストレス」を感じさせる
4、脅迫者が受け入れなかったり反論したりすると、脅迫者は金銭や関係の破壊などで脅迫者を「脅し」続け、脅迫者が従わざるを得ないようにする
5、脅迫された人は「応じる」ので、不安は解消されたように見えるが、実は「なでなで」効果と考えられる
6、脅迫者は目的を達成しため、次回も「繰り返し」をする

脅迫される側である場合、脅迫者は全ての責任を持つということではないです。ご自身が「被害者」という考え方よりは、ご自身が同意したときにのみループが形成されることである、わかりやすく言えば「共演者」という認識があった方が、対策を組みやすいと思われます。
つまり、脅迫される側は断固として拒否すれば、相手は「感情的な恐喝ショー」に出られなくなるのです。

脅迫されるやすい6つのタイプ


1、いつもいい人でありたいと思う
2、自信喪失の習慣
3、他人の気持ちを過剰に共感してしまう
4、他人から認められたい
5、過度な義務感
6、権威への過度な追従
 自分を十分に愛していないとき、自分の感情を十分に大切にしていないとき、人間関係を失うこと、人々の信頼を失うこと、人々に嫌われることをいつも恐れているとき、脅迫されやすくなります。
しかし、良い関係を手に入れようと、自分を評価してもらおうと、愛してもらおうと、必死になっているようで、脅迫された見返りに手にするものが愛ではなく、恐怖とダメージであることに気づいていないのです。

脅迫者になるタイプ


実は、脅迫者は自信がなかったり、人間関係に不安があったりする人たちでもあるのです。 しかし、脅迫者は脅迫された側と比べてもう一つ強力なスキルを持っていて、それは自分の感情を相手に共感させ、脅迫された人に「そうだ、全部私が悪いんだ」と思わせることです。

自分には愛される資格がないと感じ、関係を失うことを恐れて、何らかの脅しで二人を束縛しようとします。
また、自分の気持ちを大切にしない不安定な二人が、誤ってお互いの気持ちを自分の責任(脅迫される側)あるいは自分の気持ちを相手の責任(脅迫する側)としてしまうことで、「病的な共依存」のが形成されてしまうのです。 それぞれが愛の喪失を恐れ、それでもお互いを傷つけ合ってしまいます。

断れない理由


なぜ、人を拒絶することができないのでしょうか。 自分自身の価値よりも人間関係を重視しており、自分の価値を犠牲にして相手のニーズや感情を重視しているからです。
オンラインゲームの世界観でいうと、ダメージを減らすために、「拒絶しない」というスキルを使い、相手の恐喝を「合理化」し、自分にこう言い聞かせるのです。  
「パートナーの言うことを聞くのが当たり前」
「上司が育ててくれたおかげで今があった、もっと頑張るのは当然だ」
「親は大切に育ててくれたから親孝行をすべきだ」

もっと単刀直入に言えば、不安や焦り、恐怖を感じている二人が不適切な方法でお互いを温め合い、同時に相手を傷つけてしまったということです。

感情的な恐喝に対する対策

以下の3つのステップが難しいが必要だとされています。

1、相手が自分を脅迫しているとき、あるいは自分が相手を脅迫しているとき、立ち止まって何が起こっているのかを見てみること


先ほどの例で言えば、相手に「あなたは何でやりたくないでしょう、パートナーだからやるべきことでしょう」と言われたときに、「相手が言っていることは本当に義務があるのでしょう?他に解決する方法がないでしょうか」と考えてみるのです。
家族や上司であれば、あまり早く反応しないように時間を置き、どのような「台本」でやり取りが操作されているのかを確認することもできます。

2、相手がしつこく何かを突いてきたら、「わかりました、考えておきます」と答え、何を言われてもそれを言い続ける、盾のようなものだと思うこと


自分の気持ちを見つめ直し、不安や罪悪感を落ち着かせ、その場から立ち去ることができれば、二人の間に少しずつ感情の境界線ができます。

上記の例で言えば、「相手がこれをするとき、私はどのように感じるか? こんな扱いを受けていいのだろうか? このようなことを言われたとき、不安や他の感情を「投げかけて」いるのでしょうか?と冷静に考えてみるのです。

3、相手が落ち着いたら、より適切な対応をすることができます、 冷静に話せばいいのですが、相手が落ち着かない場合や、ずっと食いっぱぐれている場合は、最初の2ステップをやり続けること


 共演ですから、共演者がショーに出なくなると、相手が脅迫できなくなリます。
脅迫される側が「出演」をやめるたびに、脅迫する側はイライラ→落ち着く→コミュニケーションを取るとなるので、やめ続けることで、脅迫側は対応を変えなければならないのです。

感情的な恐喝を対応する実例

京セラ・第二電電創業者、日本経済に大きく貢献した稲盛和夫さんは、子どもたちとのエピソードはインタビューで語っていました。

仕事が忙しく、父親として授業参観にも一回も行ったことがなかったそうです。

小学生の子供たちには、その理由として、稲盛和夫さんはこう説明しました。

「一緒に遊んでくれない、学校参観にも来てくれないと、さみしい思いをしているかもしれないけれど、お父さんにはお前たちだけでなく、会社に何千人という家族がいる。その社員のため、一生懸命、仕事に打ち込まなければいけない」
お父さんは会社の社長として、銀行からたくさんのお金を借りている。もし、会社が倒産すると、会社がつぶれるだけじゃない。社長であるお父さんは、会社の連帯保証人だから、この家も家具も全部、取り上げられてしまう」

AERA dot.

かなり具体的な話をしています。
それだけ責任感を持って必死に仕事をされていたことを子どもに伝えるという誠意も見せています。

ここで悪い例で「大人には色々事情はあるから、子どもは口を出すんじゃない」という「権威」を振りかざす親もいますが、この対応ですと子どもは親の立場を理解できないままただただ忙しいすぎる親を尊重できなくなるのでしょう。

「恐怖 」から屈し続けることは、一時的な不安の解消にとどまり、後でさらなる恐怖を味わうことになり、愛とは言えないです。
二人の関係は、一人の声だけでは成立しないはずです。 もし、あなたが恋愛/人間関係/仕事などに縛られてしまっているのなら、「なぜこんな人に出会い続けるのか」ではなく、「自分の中にどんな恐怖心があり、不満を口にするのが怖いのか」を考えてみるのは有益でしょう。

「恐喝」を我慢したり、影響を受けたりする必要はないのです。 なぜなら、相手の行動はコントロールできないのですが、不安、焦り、恐怖などの「感情」を感じる責任は自分が持つのです。そして、相手も同様に、不安、焦り、恐怖などの「感情」の責任を持ち、「他人の責任にしない」ことができると、お互いを尊重し合う、本当の意味での対等的な関係を築けるでしょう。



出典:15張圖讓你一次了解情緒勒索(emotional blackmail)
   
りーたむブログ


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