ハルクウーベン博物誌〜ファンタジー世界の住人たち〜 序章＆項目一覧（2024年5月更新）
『ハルクウーべン博物誌〜ファンタジー世界の住人たち』は、オールドスクールファンタジー世界『ハルクウーべン』に住まう様々な種族やモンスターたちを紹介するnoteマガジンだ。
冒険者とは、様々な依頼者から危険な仕事を請け負う、いわば小規模な傭兵の集団である。命を張るだけに報酬は高いが、各地で為政者に絞り取られる税金は定住民と比べても法外に高く、この稼業を望んで始める者は少ない。
ここで記される様々な事物を突き止めるため、多くの冒険者や探検家、魔術師、そして学者たちが多大な労苦と時間を費やし、また時に道半ばで命を落とした。原本はハルクウーベンに住む人々の言葉で書かれているため、それを我々の言葉に訳し、君に届けるのは何大抵のことではないが、これから時間をかけて少しずつ、しかし着実に掲載項目が増えてゆくだろう。
知識とはすなわち力である。作物の育て方を知らぬ農夫はおらず、勘定のできない商人はいない。魚の捕り方を知らぬ漁師はおらず、魔法の使えぬ魔術師もいない。だが、彼らがもともとそれらを熟知していたか？ 否、彼らもまた学び、多くの失敗をへて知識を身につけたのだ。
世界各地の酒場では、酒の勢いで尾ひれのついた武勇伝や荒唐無稽なホラ話が幅を聞かせている。ケイポンの学者ヒルヌスは、これらの与太話に“学術的な検証”を加え、わずかな真実をかき集めて名著『民の智慧』を記した。
冒険者の多くは短命であるが、それは冒険者のしでかす失敗の多くが死に直結していることに由来する。ゆえに、これらの危険についてあらかじめ学び備えれば、生還へ幾ばくかの望みが加わるであろう。
読者諸兄がハルクウーべンを旅するさい、これらの知識のおかげで命を拾う局面が沢山あるはずだ。英傑帝マグドゥーの最期を知っていれば、ゴブリンを侮るような愚かな真似はすまい。ボンデベルクの豪商ベルリコフの壮絶な死に様を知っていれば、オークの醸造酒を薦められても断る勇気を持てるだろう。ザージパル大冊に綴られたおぞましい真実の幾ばくかを知れば、いたずらに暗き魔力を弄ぼうとは思わないはずだ。
君は冒険者ゆえに穏やかな人生を送れはしないだろう。だが、これらの知識を学ぶことで生き延びる可能性は高くなるはずだ......君自身が未知なる危険の第一発見者にならない限りは！
ハルクウーベンは、30年以上昔に生まれ、今なお作られ続けている世界であり、１人用ファンタジーアドベンチャーゲーム『デス・オア・グローリー』（通称デスグロ）の背景世界例でもある。
ハルクウーベンの地図には、大きな大陸が海の上に浮かぶ。この海の果てには、一体何があるのだろう？ “まだ見ぬ陸地”とは、ひょっとしたら、他でもない君が想像し創造するオールドスクールファンタジー世界かもしれない。俺は、皆の心にあるそれぞれのファンタジー世界を大切にして欲しいと願っている。だから、「ハルクウーベンこそが王道オールドスクール・ファンタジーだ」とか「ハルクウーべンはデスグロにおける唯一無二の背景世界だ」と宣言しているわけではない。ハルクウーベンは、現在進行形で進み、ゆえにこれから無数の“古風な新世界”が登場するであろうオールドスクールファンタジーシーンにおける、ひとつの具体例なのだ。
このハルクウーべン博物誌もまた、ファンタジー世界における一つの具体例にすぎず、君の想像や創造を助けるためにある。君は博物誌の記述をそのまま楽しんでもいいし、君の好きなように変えてもいいし、全く無視して自分の世界観を作ってもいい。すべては、君自身の想像力と創造力を掻き立てるキッカケだ。
なお、ハルクウーベン博物誌で紹介されるテキストに着想を得て、君が二次創作を楽しむこともできる（この二次創作ガイドラインを遵守してくれ）。
オークルドスクールファンタジーミニチュア、またハーミットインについてさらに知りたいならば、入門記事（全文無料）を読んでみてくれ！
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収載項目一覧
ノール
コボルド
人間（その諸国と特記すべき地域）
ドワーフ
読み物：トロールのなかよし兄弟
バーバリアン
読み物：北方古墳の墓荒らし
読み物：帝国軍将たちの群像
ドラウグル
バグベア
ゴブリン
読み物：はなれ森の王
サハギン
闇トロール
ミミック
読み物：どんぐりの木の下で
コールド・ドレイク
ゴーレム
エルフ
リッチー
ノーム
モングレル
トロール
ドラゴン
ズノート
オウルベア
スタッフクレジット
執筆：籾山庸爾
挿絵：ムスタファ・ベキア
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