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種族解説:バーバリアン

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野人バーバリアン」とは、文明諸国の間では“未開”とされる北の辺境で暮らす人間にあてられた呼び名だ。彼らは、文明諸国の“進歩”した暮らしを知らぬ代わりに、南方人が忘れ去ったものを今なお備える人々である。しらなみ海峡の北に広がる白ケ原、白鷺山脈を北に越えた先にあるサレクロフトに住まう人々が、諸国における野人の代名詞だ。

無論、文明諸国の支配が及ばぬのは北方だけではない。極東の荒れ野ハラクマーンや帯草原、あるいは南方のパポライカ諸島や熱極密林にも、諸国の支配が及ばぬ人々が暮らしている。北方の人々と同じく、東方や南方でも、それぞれが独自性の強い文化文明を発展させてきた。公平な見方をすれば、彼らの文化は、必ずしも諸国に比べ原始的でも後進的でもなく、単に異なる形で発展を遂げているだけだ。

しかし、異質であることを忌避する狭量さは、人間が備える性質でもある。それゆえに、ハルクウーベンの人々は、自分たちと異なる社会、文化、信仰、歴史を持つ人々を、同族とはみなさない。その狭量さこそが、人間たちに家を、村を、街を、都市を、やがては国を建てさせたのである。

生まれついた地域により、顔立ちや肌、髪の色などが異なるが、おしなべて北の野人は南方人と比べてはるかに壮健で、身体能力もすこぶる高い。また、文明人たちと同じく、出身地域や部族により、その文化や気質、信条には大きな違いがあるが、部族内の同胞意識が非常に強いこと、南方人たちを一様に軽蔑している点では共通している。

北方人は総じて自分たちを「自由の民」あるいは「人」とだけ称し、文明化された南方の人間を「柔肉やわにく」と呼び蔑む。彼らにしてみれば、階級社会に甘んじ、壁に守られた家で暮らしつつ、為政者に税を搾り取られて安穏としている民は、くびきに繋がれた家畜も同然に見えるのであろう。

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