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単球さん
2019年3月15日 14:16
1990年10月14日(日)AM10 : 00「ホントに一関まで迎えに行ったらしいね」楽器店の前に立っていた敬子は和彦が運転する車から下りてくるスニーカーズのバンドメンバーを眺めて美香に喋った。「宮古から一関まで何時間かかる?」美香は敬子に聞き返してみたら「高速使って3時間、高速使わないで4時間」「えぇ〜じゃあ雪野のん何時に起きてんだろう?」「たぶん3時とか…だろうな」車の後部から楽
2019年3月9日 02:13
咲が怒って午後の授業をサボる為に昼休みに学校から抜け出したすぐ後に、咲のクラスメイトの友人である貴代と優子が咲を追いかけて来て一緒に授業をサボる事にした。赤トンボの群れが飛ぶ青空の下で自転車を漕ぐ三人だが、「貴代ちゃんも、優子ちゃんも授業サボるの初めてでしょ?」咲はちょっと気が大きくなって二人に聞いてみた。「初めてだからちょっとワクワクする」貴代がそう言って笑うと、咲は「明日学校に行ったら一緒
2019年2月27日 23:24
咲が和彦と初デートをした次の日の昼休みのこと咲は自分の席に座りウォークマンで耳から音楽を聞き目で本を眺めながらおにぎりを食べていたら、ベランダから食物科の教室の中へ里香と智美がクラスメイトの美佳と芳恵を伴って咲の所にやって来た。「何見てんの」と里香は咲が眺めている本を手に取って見てみると料理の本だったが、後ろに書いてある値段を見てみると3500円と書いてあった。。「この本を昨日買って貰っ
2019年2月17日 11:21
和彦と咲が二人だけで車に乗ってから早いもので6時間以上が過ぎていた。今時刻にして15時30分、先程まで晴天だった空の色がいきなり暗くなって遠くから雷鳴が轟き灰色に覆われた空に稲妻が光ると同時にいきなり土砂降りの大粒の雨が落ちてきた。海が見たいと言う咲のリクエストで和彦は国道45号線を南へ何下していた。さっきまで和彦をいじって爆笑していた咲が急に静かになったのであれっと思った和彦が横を 見
2019年2月4日 22:12
1990年9月16日(日)和君、どうして私の顔をみてくれないの?和君、どうして私と話しをしてくれないの?和君、どうして黙り込んでいるの?和君、私といるのがそんなにつまらないの?ねぇ和君…ねぇ和君…ねぇ和君返事して…和君たら…咲が車を運転している和彦の左腕を揺すったら咲の方を振り向いたのは、和彦ではなく里香の元彼であった友治だった。「やっと俺と付き合う気になったか!!」友治はそ
2019年1月20日 01:20
だってそうでしょう? - CHU毒なのに死のうとしてた自分がちっぽけに見えたよ。なのに人を憎んだ心が狭く感じた。だってそうでしょう、思い出はキレイなままじゃない。だってそうでしょう、もう忘れたでしょう、あなただって。あなたと陽気な夢見つけたのよあなたと似合った傘感じた精一杯の恩返し精一杯の仕返しなのに泣いて過ごした時間がもったいなくて、なのに後戻りしてた自分が悲し
2019年1月8日 00:20
秋の日は釣瓶落としと言われ、9月も半ばに差し掛かると、午後18時の時刻になると太陽が完全に姿を隠し、代わりに夜がやって来る。十五夜の満月に照らされた、草むらですすきの穂が風で微かに揺れる場を舞台にした、秋の虫達が恋の詩を命の限り奏でている。「しかし日が落ちるの早くなったな〜」美彩は咲の部屋のドアを開けるなり、この言葉を口にして部屋に入った。「夏が来れば暑い暑いと文句を言い、冬が来れば寒い
2018年12月10日 00:07
プロローグ 『日本のROCKなんて元々買い物カゴぶら下げたオバサン達の事でしょ!日本にROCKなんて物は存在しないから』と誰かが語り、空前のバントブームも終焉と崩壊のカウントダウン終了の時間まで残り僅かに差し掛かり、若者文化を全て食い散らかして激太りした奴らが保身に走り、屑な業界の大人共が撤退し始めた…そんな頃-----------------------------1990年の8月の中旬の