「血糖値が高い!」の対策
先日久しぶりに散歩中に会った犬友さんのワンコがなんだか調子が悪そうだったのでどうしたのだろうと思ったら、「2型糖尿病になった」と。
小型犬だけど10歳、色々不調も出てくるお年頃です。
飼い主同士も中年だからかちょっとしんみり「色々大変だねぇ。心配だね。」と話していました。
今や人も犬も2型糖尿病のリスクが上がっています。
定期検診でも「血糖値が高いですね」と言われたことがある人は多いのではないでしょうか。
日本では6人に1人が「2型糖尿病・もしくはその予備軍」と言われ
中高年には残念なニュースですが、加齢とともにリスクはあがり
40歳以上だと3人に1人になるそうです。
なので、今日は「血糖値が高い」と言われたらまずはどうしたらよいか
考えてみようと思います。
「血糖値が高い」は何が問題なのでしょうか?
「血糖値が高い」状態が長く続くと血液はドロドロします。
流れは悪くなり詰まりやすく
また糖が血管の壁を傷つけます。
循環器系全般に悪影響しますが、特に
糖尿病の合併症 糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症は有名です。
傷つきやすい、詰まりやすい小さい血管がたくさん走る目や神経、腎臓などに影響が出るのです。
血糖値が高くなるのはなぜ?
血糖値が高いということは、血液中の糖(ブドウ糖)が細胞内に取り込まれずに血中に増えてしまっている状態です。
糖分の摂りすぎ・偏った食事
運動不足
ストレス過多
睡眠不足
ホルモンバランスの崩れ
加齢(防げない笑)
遺伝
など(多くの場合は複数の原因)が要因となり血糖値が上がることは知っている人も多いと思います。
血糖値が上がると
普通なら「インスリン」というホルモンが糖を細胞に取り込むよう指令します。
なので一時的に(食後など)血糖値が高くなっても、時間を追うごとに血糖値は下がり正常範囲内に血糖値が保たれます。
けれど、このインスリンがうまく働けなくなっている状態=糖が細胞内に取り込まれずに血中に止まっていることが続くことによって「血糖値が高い」は起こるわけです。
「慢性の高血糖=2型糖尿病」は
1. インスリンの分泌低下
2. インスリンの抵抗性
が重なって起こります。
体は、血糖値が高いとインスリンをもっと作ろうとします。
でもこのインスリンに細胞が反応しずらくなるのがインスリン抵抗性です。
インスリン抵抗性のメカニズムの全容はわかっていませんが
いくつかの遺伝子、加齢、高い体脂肪率、運動不足、高炭水化物・高脂肪の食事、いくつかの薬(ステロイド、一部のHIV&高血圧の薬)がインスリン抵抗性を高めることが明らかになっています。
日本人は人種的にもともとインスリンの分泌する能力が低いと言われています。
そのためインスリン抵抗性が起こるとインスリンの必要量がふえますが、
それに対応できず2型糖尿病になりやすい人が多いと言われています。
つまり
血糖値が上がるような食・生活習慣を見直す
と同時に
インスリン抵抗性を引き起こさないようにする
ことが「血糖値が高い」と言われたらまず目指すところではないかと思います。
体質や遺伝は血糖値や糖の代謝に影響を与える要因ではありますが、2型糖尿病の予防はできます!
まず見直す
今わかっている「インスリン抵抗性を引き起こすだろう要因」は
血糖値を上げる食・生活習慣と似ています。
食事
運動
睡眠
ストレス
糖質(もちろんお酒を含む)を摂りすぎることはもちろん、
糖質代謝は運動不足やストレスなどライフスタイルにも大きく影響されます。
まずは見直せるものを少しでもいいから始めてみることが大事です。
食事や運動についてはたくさん情報があると思ういますが
ちょっとした工夫で、ストレスなく取り入れられることもたくさんあります。
ポイントは
楽しみながら続けられること、今なら紅葉をみにハイキングとかでも良いですよね。
運動+ストレス発散になり、動くと夜もよく眠れます。
見落とさない
食事や運動など気をつけていても血糖値が高くなることがあります。
ホルモンの影響です。
更年期や妊娠期、PCOS, 甲状腺の異常なども考えられます。
必ず医師に相談しましょう。
自然療法(ハーブや栄養素)を取り入れてみる
食事やライフスタイルの見直しは、自然療法でももちろん一番に改善するものとして提案されますが、それと同時にハーブや栄養素も取り入れます。
高血糖に良いハーブ
ギムネマ(Gymnema sylvestre)は、ハーバリストの世界では「高血糖」と聞くと一番に思い浮かぶハーブだと思います。
甘みを感じにくくする作用で有名で、本当にチンキを舌にのせてチョコを食べると「甘くない!」。。。なんとも微妙な気分になりますが
そんな作用が示唆するように
血糖値が高い
糖尿病
インスリン抵抗性
甘いものがやめれない
などに効果があります。
ダブルで嬉しいのは、高血糖だけでなく高コレステロールや中性脂肪が高い時にも効果的です。
この血中の糖質と脂質の異常は同時に起こりやすいのでとても嬉しい効果ですよね。
フェヌグリーク(Fenugreek/Trigonella fenum -graecum)は、インド料理などのスパイスとして知る人も多いかもしれません。
日本ではあまり馴染みがありませんが独特の匂いがあるハーブです。
このハーブもギムネマ同様、高血糖、糖尿病、インスリン抵抗性などに効果的な上、高コレステロールにも良いです。
それに加えて消化器系(消化不良・膨満感・ゲップや食欲不振)にも使用されることから
血糖値が高くて消化器系が弱い人に向いているかもしれません。
シナモン(Cinnamomum aromaticum・C verum)は、反対に日本でも馴染みあるスパイスですよね。
血糖値のバランスをとると言われるこのハーブも高血糖、インスリン抵抗性、2型糖尿病、などに使用されます。
食後に甘いものが食べたいなぁとなったら、シナモンティーやシナモンが入った(甘くない)チャイなんかも良いかもしれません。
おまけ:最近血糖値で注目されているハーブはNigella(ニゲラ)かな?西アジアではスパイスとして使われていますが、ちょっとまずい(苦い)笑
血糖値(糖の代謝)に大事な栄養素
クロミウムはミネラルの一種で、インスリンの働きを促進することで知られています。
クロミウムは、インスリン感受性を高めます。つまりインスリン抵抗(とその予防)に必須なミネラルです。
糖がきちんと細胞に取り込まれると言うことは、血糖値の上昇も防ぎます。
ピコリン酸クロミウム(ピコリネート)がオススメです。
マグネシウムは糖の代謝に必要な栄養素は色々ありますが、中でも不足しがちなマグネシウムも意識すると良いです。
マグネシウムの働きはめちゃくちゃ多いのですが、糖代謝に関してはインスリンの分泌に作用します。
Dr Igor Tabrzianは「マグネシウムはインスリンを分泌する際に水道の蛇口のような働き」をすると表現されています。
つまり分泌の調整を行っているのでマグネシウムが不足すると蛇口をひねれず、インスリンが思うように出ない、と言うことです。
マグネシウム不足はまたインスリンの抵抗性を高めることも知られています。
亜鉛はインスリンを膵臓で作るときの必須アイテムです。
亜鉛は、魚介類や肉類、野菜、海藻類、豆類などから取れますが、不足しやすいミネラルと言われています。
サプリは必要か?
何よりも大切なことは食事やライフスタイルを見直すことが一番です。
サプリは人によって考え方も違うし、必要なものも人によります。
でも、私は良いサプリを上手に取り入れるのは全然ありだと考えています。
全て取る必要はないですが、3ヶ月ほどどれか自分に必要そうなものを試してみる価値はあるかもしれません。
何が必要かはもちろん人にもよりますが
例えば
Aさん(38歳)仕事が忙しく食事が偏りがち。運動不足。ストレス大。初めて健康診断で「血糖値が少し高いですねぇ。食事気をつけてください」と言われた。
なら、まずは食事やライフスタイルの見直しから始める。ストレスと血糖値対策にマグネシウムのサプリメントを取り入れる。
Bさん(50歳)食事や運動には気を使うが、甘いものが大好き。更年期。血糖値が常に少し高め。
なら食事の微調整(特にタンパク質)とおやつの見直し。ギムネマとクロミウムのサプリを取り入れる。
ものすごく大雑把な例えですがこんな感じです。
最後に
2型糖尿病の初期症状はあまりなく、発見が遅れることもあります。
なので定期検査などでチェックするのはとても大切です。
もちろん日頃から血糖値を上げないなどの予防をするのが一番ですが
「血糖値が少し高いですねぇ」と言われたらそれからでも
見直せることや予防ができます。
そして「私は高くないから大丈夫」と思っている人も
血糖値が乱れると(正常値でも)
集中力の欠如
イライラ
疲労感
暴食やおやつやめれない(痩せれない)
などなど私たちのメンタルやフィジカルに多大な影響を与えるます。
血糖値を整えることは実はものすごく良いことずくめかもしれません。
血糖値についてはたくさん記事にしています。よければ読んでみてください。
先日職場のミーティングで、妊婦さんの血糖値やインスリン抵抗性について話が出ました。
妊婦さんはハーブも使えるものが限られるし、やはり気を使います。
そこで、何を使うと思います?
なんと「酢」が使われるそうです。(注:妊娠中で血糖値が高い人は必ず医師の指示に従いましょう)
酢の力ってすごいなぁと改めて思いました。
もちろん妊娠していなくても酢は誰でも安全に使えます。
食前酒ではなく食前酢で血糖値対策していきましょう🎵
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