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ヘリポート
2021年5月15日 12:21
雷都水平線の見えない街にも夏はくる湿度が溶けた空気に体がほどけ木陰に避暑を望むばかり暮れなずむ空は雷光に阻まれ瞬く間に大きな水溜まりを作る夏がくるここはこうして海がなくとも暑さにかまけた湖が光るトカゲアスファルトには動きの鈍いトカゲがひとり路頭に迷っているようだ焼けた地面に漕ぎ出す二歩目を踏み出せないでいるようだ風そよぐ中影はどこか いそいそと走る私の自転車
2021年6月19日 21:10
サンバレー逃げるようにサンバレーへ風は縫うように近づいてくる氷は黒い池にぽしゃりと落ちて私も足を滑らせる心だけ はやらないようにゆっくりと腰を下ろして夏でもここは私を冷やす小さな山花の喫茶日記宇都宮市 「サンバレー」 東武宇都宮駅の東口を出て、東武馬車道通り(通称一番通り)を駅を背に步く。1つ目の路地を右に曲がると、雰囲気が一変して朝でも昼でも毎度なんとも言えない緊張感
2021年7月18日 22:47
夏のサイド 高く上がった打球が真っ青な空に吸い込まれる。一瞬それを見失って、ボールの影がグラブの位置を確かめさせる。夏のグラウンドは乾いた砂のほこりっぽい匂い。汗で滑るボールを握りなおす。帽子をかぶっても焼ける真っ赤な顔。べた付く足に長いソックスを2枚も履いている。Tシャツの上にはボタンの付いた通気性の悪い白の厚手のシャツ。白いズボンにベルトを通してそれらをしまう。どれだけ暑くても変わらない練
2021年8月24日 19:04
花の喫茶日記釜川沿い 「朴花」 ひと昔前は街のホットスポットだったオリオン通りはいつのまにか居酒屋だらけの商店街になってしまった。昔ながらのお店もちらほら見かけるが、目に飛び込むのはシャッターが閉まった店と派手な入り口のチェーン店ばかり。私より10年以上も早く歳を重ねている人は皆、昔はすごかったんだと口を揃える。 そんなオリオン通りが一年に一度、一気に華やぐ日がある。それが毎年8月に開催
2021年12月24日 22:08
街が煌めく白色金色だんだんと近づく一列に並ぶオレンジ色がタタタンとリズムを打って私の好きな夜の光緑色 私の靴が踊り出し赤色 私の靴は小さなステップ月明かりがしんとする夜にベイビー、イッツコールドアウトサイドイブの街日記 だいぶ更新が滞ってしまいました。バタバタと過ごし、なかなか書き物をする時間が取れませんでした。またゆったりとやっていきますのでよろしくお願いします!
2022年6月10日 14:54
春の詩ホコリ部屋に差し込む光が私の背中をあたためる目の前で小さなほこりが浮遊してキラキラ光っている私の吐く息に沿って漂う集まればきらめきはなくなってこれは何色その前の彼らの自由を私はどれだけ許せるかひとりででかけるひとりででかける歩く速さも考えないから植木を見つめる時間があるから通り過ぎても戻って苦笑いができるからそうして、古い化粧品店に我が物顔で入れるからへ
2022年9月3日 23:32
ラジオ体操と子供たちの声、蝉の大合唱、夕立と雷の音、遠くに聞こえる花火の音、夏には夏の音がある。 家から聞こえるこれらの音の他に、私の庭からは1時間に2回鳴る笛の音が夏にあった。 7月から2か月ほどだけ開かれる屋外の市営プールから1時間に2回笛の音が鳴る。毎時50分になると大きな笛が一度鳴り、もごもごとした放送のあと、少し静かな10分がある。そのあとまた大きな笛が鳴り、にぎやかな様子が聞こ