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支える理学療法《シーティング編》

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シーティング 第8回 《アンカーサポート、車椅子操作》

シーティング 第8回 《アンカーサポート、車椅子操作》

シーティングも一旦、今回で終了させて頂こうと思います。

次は《支える理学療法シリーズ》

『ポジショニング編』

を掲載させて頂きます。

では、さっそく今回の内容に入ります。

まず、アンカーサポートとは、滑り座りなどで、ご高齢者様が前方にズレるのを防ぐモノになります。

シーティングをしっかりしても、やはり長時間座位であれば、時間経過とともに前方へ滑ってくる方は多くいらっしゃいます。

上記

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シーティング 第7回 《車椅子の種類およびその特徴》

シーティング 第7回 《車椅子の種類およびその特徴》

今回は、まず車椅子の大まかな種類について説明します。

因みに車椅子選びはかなり重要です

どんなにシーティングを工夫しようとしても、

そもそも、ご高齢者様の体型や機能障害に対して、車椅子の規格が合っていなければ、そもそもシーティングの仕様がない場合が多くあります。

必ずデモ器を試して、納得いくまで選定しましょう。

では、大まかな車椅子の種類ですが、

《標準型(スタンダード型)》

これが

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シーティング 第6回 《フットプレート、肘かけの位置調整》

シーティング 第6回 《フットプレート、肘かけの位置調整》



フットレストの位置を気にされるセラピストの方は多いと思いますが、『リハ時間内で調整する時間がない』『そもそも調整の仕方がわからない』といった方も、もしかしたいらっしゃるかもしれません。

基本的にフットレストの位置は大腿部が水平になるように設定します(不快感がでないように)

また膝の屈曲制限があるご高齢者様では、フットレストの位置が高すぎて足部が乗っていないケースもたまにみかけます。

では

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シーティング 第5回 《おじぎ座り》

シーティング 第5回 《おじぎ座り》



老健やデイサービス、特養などでお勤めのセラピストさんでは、比較的よくみられる姿勢だと思います。

施設によっては、長時間の車椅子座位姿勢を強いられるところもあるため、ご高齢者様の中には、ご自身でおじぎ座りをして座圧を移動させたり工夫されている方も多いと思います。

私たちみたいに、臀部の位置を肘かけのプッシュアップや、片側ヒップアップで除圧したり、座圧を移動できれば良いですが、

ご高齢者様で

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シーティング 第4回 《斜め座り》

シーティング 第4回 《斜め座り》



仙骨座りと一緒に見られることも多い、斜め座りについてお話しします。

比較的多いのが、小柄な女性に大きな車椅子を使用するなど、

そもそも、

ご本人様の体型と車椅子の規格が合っていないことが多いです。

ベストな車椅子の幅は、臀部の横に手掌が一枚入る程度です。

拳が一個以上入れば、横幅が大きすぎます。

幅が広いと、アームレストの位置が遠くなり、肘でバランスをとることが難しくなりますし、ど

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シーティング 第3回 《滑り座り(仙骨座り)後編》

シーティング 第3回 《滑り座り(仙骨座り)後編》



今回は、

滑り座り(仙骨座り)の原因として一番多い,

円背姿勢をバックサポートにて適切に支持できていないため、背面から押し返される。(背張り調整が不十分、または背張り調整機能がない。)

について述べたいと思います。

図の写真の方は、背張り調整機能が付いているにもかかわらず、背張り調整をせずにクッションで背面をサポートされていました。

そのため、クッションの厚みで体が前に押し出されるよ

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シーティング 第2回 《滑り座り(仙骨座り) 前編》

シーティング 第2回 《滑り座り(仙骨座り) 前編》



特養や老健、デイなどで、臨床上、一番よくみられる座位不良姿勢だと思われます。

まず、原因の一つとして挙げられるのは

①座低長(座位での臀部後方から膝窩部までの長さ)と座面長(車椅子の座面の長さ)が合っていない可能性が挙げられます。

これは、比較的小柄な女性が、大きな車椅子に乗っていいる際などに見受けられます。

ちなみに、座低長と座面長の適切な長さの指標は、膝窩部とシート前端のすきまが2

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シーティング 第1回《代表的な不良姿勢》

シーティング 第1回《代表的な不良姿勢》



シーティングとは、『ある目的の達成に近づけるために、最適な座位姿勢を支援をすること』です。

ある目的とは、

人によっては、仙骨部の褥瘡予防であったり、食事での誤嚥予防、拘縮予防など、個々人によって目的は異なるでしょう。

しかし、最適な座位姿勢を保つという手段は一緒です。

快適な座位姿勢が保てれば、たいていの問題は解決するはずなのです。

シーティングが上手くいくだけで、

①不穏・問題

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