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シーティング 第2回 《滑り座り(仙骨座り) 前編》

図3

特養や老健、デイなどで、臨床上、一番よくみられる座位不良姿勢だと思われます。

まず、原因の一つとして挙げられるのは

①座低長(座位での臀部後方から膝窩部までの長さ)座面長(車椅子の座面の長さ)が合っていない可能性が挙げられます。

これは、比較的小柄な女性が、大きな車椅子に乗っていいる際などに見受けられます。


図4


ちなみに、座低長と座面長の適切な長さの指標は、膝窩部とシート前端のすきまが2~3横指空いているのがベストです。


図16


上記の方のように、座低長に比べ、座面長が短すぎる場合、少し滑り座り(仙骨座り)で、前方に移動しただけでも不安定感を感じられるか、極端な場合、

正常に座っていても、不安定感を感じられます(車椅子座面の支持面が狭くなるため)



次は

②股関節が90°以上曲げれないことも原因の一つになります

図5

この場合、車椅子にはリクライニング機能が必要になります。

図の左側は股関節が75°しか曲がらない方が、標準車椅子に乗った場合です。

背中に隙間ができ、脊柱と車椅子背面に隙間が生まれ、脊柱が車椅子の背面に対して傾斜角度が付くため前方に滑りやすくなります。


③ハムストリングスが強度に短縮している(フットプレートの位置が不適切)

も原因にあげられます。

図6

ハムストリングスが短縮している場合、フットプレートの位置が前すぎると、膝が伸展することにより骨盤がハムストリングスに引っ張られ、後傾してしまいます。結果、滑り座り(仙骨座り)になります。

その方の場合は、フットプレートの位置を手前にし、膝が伸展しなようにするなどの工夫が必要になります。


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