シーティング 第7回 《車椅子の種類およびその特徴》
今回は、まず車椅子の大まかな種類について説明します。
因みに車椅子選びはかなり重要です
どんなにシーティングを工夫しようとしても、
そもそも、ご高齢者様の体型や機能障害に対して、車椅子の規格が合っていなければ、そもそもシーティングの仕様がない場合が多くあります。
必ずデモ器を試して、納得いくまで選定しましょう。
では、大まかな車椅子の種類ですが、
《標準型(スタンダード型)》
これが病院や施設保有では、一番多いタイプになると思いますが、
もし、標準形で長時間座位を取るなら必ず座面にクッション材が必要です。
そもそも標準型は、車椅子移動の為に最低限の機能しかついてないため、そもそも長時間座ることを考えて設計されていません。
あくまで短時間の移動目的として使用しましょう。
《軽量化標準型》
重量は10kgをきってくるので車に詰め込んだり、持ち運びに便利。当然、長時間の使用には向いていない。短時間移動時に使用。
《背張り調整機能付き》
座面がクッション性のある車椅子になるため、長時間座位保持にも使用可能。フットレストおよびサイドプレートが開閉(スイングアウト)でき、肘の高さも調整可能なタイプは若干、値段が高い。デモを試して、立位で足踏みでの移乗がしっかりでき、肘の高さが問題なければ標準型でも個人的には良いと思います。
スイングアウト式はフットレスト部分が外せるため、移乗先(ベッド、トイレなど)まで車椅子がギリギリで付けれることが出来るため、またサイドプレートも上げれるため移乗動作が不安定な方には必要です。
《モジュール型》
車軸の位置が変更できたり、他にもリクライニング角度が若干つけられたり、色々アレンジできる車椅子になります。
《自動ロック機能付き》
立ち上がると自動で車椅子のブレーキロックがかかるため、認知症でブレーキ操作が覚えられない方向けです。
《足漕ぎ型》
《ティルト・リクライニング式》
上記の記事でも紹介させていただきましたが、股関節屈曲が90°未満の場合、リクライニング機能は必須です。
また強度円背などで頭部がかなり前方に位置し、長時間の頭部保持が難しい方や、
起立性低血圧の症状が頻回に出る方には、ティルト機能は、いざというときに助かります。
他にも、ヘッドサポートの位置が柔軟に変えれるタイプや、膝関節の著名な屈曲制限にも対応可能な、脚部エレベーティングなどの機能がついたティルト・リクライニング式があります。
このあたりは、ご高齢者様の機能障害に合わせて、しっかり選定しましょう。
最後に、クッション材の紹介を軽くして終わります。
もし座面がスリングシートの場合、長時間座位をとるさいは、クッション材は必須です。私たちでもすぐに臀部に違和感や疼痛を覚えます。
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