シーティング 第4回 《斜め座り》
仙骨座りと一緒に見られることも多い、斜め座りについてお話しします。
比較的多いのが、小柄な女性に大きな車椅子を使用するなど、
そもそも、
ご本人様の体型と車椅子の規格が合っていない
ことが多いです。
ベストな車椅子の幅は、臀部の横に手掌が一枚入る程度です。
拳が一個以上入れば、横幅が大きすぎます。
幅が広いと、アームレストの位置が遠くなり、肘でバランスをとることが難しくなりますし、どちらかに体を寄せてバランスをとる方が楽になってしまいます。
臨床上、シーティングが必要なご高齢者様の股関節は拘縮していることが多く、股関節の回旋を整えることは困難なことが多いです。
例えば、股関節の右が内旋、左が外旋位ですと、右の内旋位の方の臀部に圧がかかりやすくなります。そのため、右股関節の内旋位を改善できればベストです。
見て頂くと、右の臀部圧が高く、ゲルクッションの右側の網目が破損しています。これだけでも、右へ骨盤が傾斜していることが想像できます。
また、クッションの形状以外にも、臀部に直接、手を入れて左右の臀部圧を比べても良いと思います。
左右のASISを指標として、骨盤の傾斜を評価します。
この方は、右へ下方傾斜がかかり、右臀部圧が高まっていることが予想されます。
傾斜している側に、タオルを敷き、ASISがフラットになるように整えます。
また前回の記事でもお伝えしたように
一番上のベルトが、左右で異なる締め具合で調整できるタイプなら、斜め座りの方では、傾斜している方をきつく締めて肩のラインが水平になるようにします。
方法としては、軽微な側弯なら
傾斜している側の背張りにタオルを挟んで止める方法もあります。
強めの側弯なら
一番ベターですが、クッションで止める方法もあります。
最後に
片麻痺で全く体幹が効かず、クッションでも傾斜が止めきれない場合、
思い切って、傾斜側のアームレストの高さを最大まで上げ、アームレストやサイドガードで止める方法もあります。この場合、アームレストなどにクッションを巻き、傾斜側の体を圧迫しないような配慮が必ず必要です。
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