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シーティング 第3回 《滑り座り(仙骨座り)後編》

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今回は、

滑り座り(仙骨座り)の原因として一番多い,

円背姿勢をバックサポートにて適切に支持できていないため、背面から押し返される。(背張り調整が不十分、または背張り調整機能がない。)

について述べたいと思います。



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図の写真の方は、背張り調整機能が付いているにもかかわらず、背張り調整をせずにクッションで背面をサポートされていました。


そのため、クッションの厚みで体が前に押し出されるような形で滑り座り(仙骨座り)になられていました。


そのため、背面のクッションを外して、背張り調整をし、ご本人様の背中の形に添った形状にバックサポートを調整しました。


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私が行っている円背姿勢での滑り座り(仙骨座りに)対する背張り調整の方法を記載します。※あくまで自己流です。



まず一番下を緩めます。なぜかというと、臀部をしっかり後方まで寄せるためです。逆に一番下がきつく締められていると、臀部が押し返されて滑り座りを助長してしまいます。

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骨盤サポート・・・・座骨での支持を促すため、おおよそ股関節が90°~80°屈曲位での角度で骨盤前後傾ニュートラルを意識して固定します。


腰椎サポート・・・一番重要視しています。なぜなら、胸腰椎移行部にもあたるので、圧迫骨折などで脊柱の形状に一番個人差が現れるところになるからです。そのため、脊柱後彎の程度をしっかり評価した上で、適切に合わせます。


胸郭サポート・・・その方の胸椎・胸郭の形状に沿って合わせます


一番上・・・個々人の好みに合わせています。もたれ気味が良い人は緩く。しっかり安定感が欲しい人はきつめに締めます。



また、今後の記事でもお話ししますが、左右で異なるベルトの締め具合が調整できるタイプなら、斜め座りの方では、傾斜している方をきつく締めて肩のラインが水平になるようにします。


図9



最後に

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スリングシートは座面支持が不安定なため、長時間の座位には適していません。

これは、持ち運びなどを意識して軽量化するために作られていますので、そもそも、短時間の移動以外の用途で使用することは避けるべきです。



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