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牛乳か相談だ

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牛乳ができるまでの十勝の牧場のとある日常をご紹介。牧場で働く前に読むと、どんな仕事なのか、牛乳の選び方等もわかります。
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2021年1月の記事一覧

おい、しっかりせーよ。 〜ウシ、心の声〜

おい、しっかりせーよ。 〜ウシ、心の声〜

除雪を早朝からスタート昨日、降った雪をみんなが来る前に除雪しておこうと、今日は早い時間から仕事をスタート。 みんなが来る前におよそ仕事のジャマになりそうな部分は全部雪撥ね完了できた。

なにも起きない朝はない?除雪を終え、餌やり等も終え、一段落つけようと思ったら、
「ハヤカツさん、バンクリーナーが落ちた」
、と搾乳中のS君から呼びかけられた。

見てみると、コーナーでチェーンが外れている。
「はー

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牛は勝手に放しちゃいけません。

牛は勝手に放しちゃいけません。

分娩前だけは自由になれる牛達経産牛(=分娩経験のある牛)は、次の分娩が近くなると乳ではなく、仔牛にエネルギーを回すようになるので、ほとんど乳がでなくなってきます。こうなると、牛舎のスペースを搾乳牛向けに空ける為にも、外に出します。
この状態の牛達を”乾乳(牛)”と言います。
この外に出した牛達にも、餌を与えるので、この時に合わせて写真のような連スタ(=連続スタンチョン)を使って、牛を固定します。

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安心して牛乳を飲んでもらえるように

安心して牛乳を飲んでもらえるように

月に3回の成績発表集荷の時、ドライバーさんが成績表を持ってきた。
鹿追町の酪農家全てに配布されているもので、出荷した生乳を検査した数字を一覧にしてランキング表にしたもの。
(この表は、怖くて絶対にネットにアップできません・・・。)

時々、 乳房炎発見のタイミングと重なってしまって乳質が落ちる時があるけど、だいたい、どの牧場がどの位置にいるか、定位置は何となく決まっている。

指標は3つ毎回、3つ

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除雪? 喜んで−!!

除雪? 喜んで−!!

うちの横には、麦稈ロールを積んだままの倉庫があります。

冬が来る前に何度か運び出したのだけど、残ったのはこれだけ。
どうやら、倉庫にあらいぐまが住んでいたらしく、ここにおいておくとラッピングしてあるネットを破ったりされる可能性もあるので、早く牧場へ運んでしまいたいところ。
ただ、雪が倉庫や車庫の前に山程積もっていたので、このままだと出せない。

麦稈運びたいから、除雪しておいてくれる?Nさんから

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バンクリーナーのトラブル、再び。

バンクリーナーのトラブル、再び。

数日このnoteを更新できなかったんだけど、実は、平和な日々が続いているときほど更新が滞るというパラドックス(泣)。

暖かい日の翌日は何かが起きる出荷できない牛が3頭いるので、その牛を順番に搾っていると、向こうの方から奥さんがやってきて、
「育成のバンクリーナー、落ちたよ」と一言。

僕も慣れたもんで
 「わかりましたー! こっち終わったらいきますね!」と即答。

昨日は、久しぶりにプラスの気温

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今季初めての−28℃??

今季初めての−28℃??

朝、出発よりも少し前に外に出て車のエンジンをかけるのがルーティーン。
この日は、あまりの寒さにエンジンが掛からないかと思った。

今季最低気温達成か?牧場で温度計を見ると、

一瞬、目を疑ったけど、どうやら間違いじゃないらしい。−28℃。
幸い、今年は、いろいろと防寒対策を親方が進めてくれているおかげで牛舎内で凍結のトラブルがほぼ無くなった。
隙間という隙間を様々な方法で徹底的に塞ぐことで、以前は

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4本のうち、1本がだめになる時もある

4本のうち、1本がだめになる時もある

牛のおっぱい(=乳頭)は、4つあります。
これ、基本ですよー(笑)。

ただ、この写真を見てみるとわかりますが、3本で搾ってます。

赤いキャップでミルカーを外してあります。

血乳&かさぶたで全く搾れなくなった隣の牛に踏まれたか、何か、原因はわからないのですが、左後ろが血乳に。。。 どうやっても搾れなくなってきて、一時期、導入管を突っ込んで無理矢理搾ってました。

ただ、治るまで時間もかかるし、

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動かない機械の動かし方

動かない機械の動かし方

僕がここ最近は担当していたこの草切り機。

ここに、牧草ロールをヨイショ!っと乗せて、トラクターで回転させるとカッターでザクザクと切ってくれます。

時々、カッターが不機嫌になる

写真は、随分と切った後なのですが、ここに至るまでの途中で、牧草を切る部分でカッターが草の硬さに負けてしまう時があります。
慣れていない人だと、どうしていいか分からなくて、同じ状態でずーっと動かしてしまったり、切れない状

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そうだったのか!! 乳代精算の仕組み

そうだったのか!! 乳代精算の仕組み

皆さん、酪農家から直接牛乳買ってますか?

「そんなやつ、おらんやろ〜。」って

大木こだま師匠が言ったとか言わんとか(笑)。

酪農家は牛乳ではなく、生乳を出荷しているみなさんが飲むのは牛乳ですが、酪農家が搾って出荷しているものは、殺菌等をおこなっていない状態のもので、これは”生乳”と呼ばれて、牛乳とは法律上異なります。
飲む側からしたら殺菌してるかどうかだけなんですが、でも、法律上では明確に別

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”理不尽”は成長に欠かせないエッセンス

”理不尽”は成長に欠かせないエッセンス

従業員のS君は、とても素直なんだけど柔軟性に欠けるので、なにか仕事を頼む時にも少し気を使ってうまく取り組んでもらえるような話し方をする。
これは、僕の場合。

しかし、親方はそんな面倒なことは一切しない。

「おい、S。○○やるから。」

S君には選択の余地なし。腹立ててブチ切れている時もあるけど、親方はそんなことも気にせず仕事をすすめる。

ただ、この”理不尽さ”は親方だからできること。

僕の

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バンクリーナーという生命線

バンクリーナーという生命線

牧場には、親牛の牛舎と育成牛の牛舎、それぞれにバンクリーナーという機械がある。

このエスカレーターみたいなもので、牛達のう○ちや汚れた寝藁等を外に排出するための機械。

牛舎の中はこんな感じで牛のお尻側に溝(=尿溝)があって、ここにう○ちや、尿を落とす。その落ちたものを1日に2回、外の堆肥舎に排出します。

多頭飼いできるのは、このバンクリーナー のおかげ手作業で糞尿を動かしたことあるんですが、

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牧場では、いつも”前のめり”になれます。

牧場では、いつも”前のめり”になれます。

サラリーマンの頃は、上司の言葉や顔色を伺って仕事をしていたのが懐かしい・・・(笑)
いまは、常に牛のしっぽや鳴き声を伺いながら仕事をしています

牧場の仕事は、”前のめり”を強いられる現場牧場の仕事は常に牛や機械の様子を拾う意識が欠かせない。ちょっとでも違和感を感じたら、その原因を探して潰しにかかる。

また、目の前でまだ済んでいない仕事があったら、自分でとっととやることで
別の人が楽になったりと

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真っ暗闇の牛舎に入ると、牛が・・・いた(笑)

真っ暗闇の牛舎に入ると、牛が・・・いた(笑)

この冬初めての積雪が・・・日中はそれほどでもなかったのだが、夜になってから急に降り出した雪。
朝、出勤時には20cmぐらいの積雪だっただろうか。
牧場で通常業務が始まるのは4時半。 その時間にはみんながやってくるのでその前に、あらかた除雪しておきたかったので早めに出勤。ショベルにエンジンをかけてから、着替えるために真っ暗な牛舎の入り口を開けて中に入った。

牛が一斉に焦る!「お?? 何だ何だ???

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餌、ちゃんと用意しておけよ!

餌、ちゃんと用意しておけよ!

朝の仕事は、流れが決まっていて、搾乳牛の搾る準備と並行して、育成牛の牛舎の掃除や餌やりも進めていく。

給餌前に牛を出してしまった!育成牛舎の掃除を終え、予防接種を打ち終えた時点で、別のスタッフに
「(注射終わったので)大丈夫ですよ」
、と一言伝えてからショベルに向かい、餌を積んで育成牛舎に戻ってくると、すでに牛が広場に放されている(@_@;)。
今から餌を入れようと思っていた僕の餌入れが終わった

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