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#ノンフィクションが好き

ノンフィクションへの愛や、好きな作品・作家を語ってください!

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函館郊外のトラピスト修道院  舟越桂が手がけた渾身の彫刻がある カトリック信者にとり修道院は重たい存在 しかも祭壇の真上にたつ幼子キリストを抱くマリアさま 悩みに悩んで、2年がかり ノミを入れたのは 「悩み」はマリアさまにもあると 今春、詩的な人物像の舟越桂が天に召された

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波乱万丈 唐牛健太郎

坊主頭のまま大学に入った1960年 安保闘争のまっただ中であった 大学構内は安保反対の立てカンバンが林立 連日デモ隊が国会をとりまき、岸を倒せ!  このときの全学連委員長は 函館生まれの唐牛健太郎であった シュプレヒコールうずまくなかに僕もいた 時はうつり 函館・大門の酒場で赤銅色に日焼けした彼と カウンターに連なったことがある そのころオホーツクの紋別で鮭漁師となり 母親のすむ函館にいっとき里帰りして 高校時代の友人と会っていたのだ 「安保の遺産で食っているのさ

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バーテンダーの神様 

封書が一通とどいた 差出人はクール古川緑郎 毛筆で西野鷹志様と書かれている いつものとおりの端正な字だ 予感がはしった やはり閉店のあいさつ状であった 上京のたびに 銀座コリドー街の バー・クールに足をむけて15年 そのカウンターに連なるために東京へ行く これが本音 バーテンダーの神様が銀座にいると聞き 意を決し酔った勢いで扉を押した まずはビールと頼んだが 洋酒のみとていねいに断られた クールの常連はテーブル席より 古川さんとカウンターをはさんで 立ち飲みと会話を楽

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井伏鱒二の媒酌で 太宰の妻となった 東京女高師出の美知子 戦中戦後の10年間 ともに暮らした日々 亀井勝一郎など 友人知人との交流 疎開した津軽・金木 乳母たけの事など 数々のエピソードを 明晰に描く 人間太宰の知らぜざる素顔 が浮かびあがる 回想記 太宰ファン必読

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1970年11月25日 日本が震えた日  三島由紀夫が市谷の自衛隊の総監室バルコニーで演説  自衛隊の決起を促すも失敗と知るや割腹自殺 こい願うノーベル文学賞 を 取りそこねた才能のかたまり三島 芥川賞候補にもならぬとは「芥川賞七不思議」の一つ 『金閣寺』『豊饒の海』……

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今度は《フキハラ》だってさ〜

テレビをつけると、また聞いたことのない言葉が飛び込んできた。 《フキハラ》なにそれ〜? フキハラとは、「不機嫌ハラスメント」のことを言うそうだ。 んじゃ、「不機嫌ハラスメント」って?ってなるわけなんだけど、例えば、上司と部下がいる。 部下のしたことが、間違えている、もしくは、上司の意に沿っていなかったりしたときに、上司が不機嫌になる。 「はぁぁぁぁっ…」と、溜息をついたり、あからさまに不機嫌な態度をとる。 その様を《フキハラ》と言うらしい。 もうさ、そんなこと言い出したら

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26歳で渡仏 絵を燃やして暖をとる 貧しい修業生活をへて 神秘的な「乳白色の肌」の裸婦像が 絶賛を浴びた 1920年代  モディリアーニとともに “エコール・ド・パリ”の寵児 故国日本 絵の正当な評価を得られぬ 失意と哀しみの日々から フランスに帰化 81歳で異郷に没した

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「風花日和」

古い蔵の二階にあがってびっくり 屋根うらの棟木に墨でくろぐろと 「 明治9年4月13日 第13代 常野與兵衛 建造」 147年まえに建てられた木造二階建て土蔵造り この土蔵は、ペリーが箱館に上陸した22年後に 松前藩と会談を行った場所近くに建てられた 建て主の常野與兵衛は 大町にひらいた茶舗を拠点に 茶業、書店などをひろく営んでいた さらに大火事が頻発する この地で防災に力をそそぎ 函館公園の開設、さらにコレラ予防に 上水道の計画をすすめるなど そのころの街の顔役であ

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【女子高生エッセイ】『田舎JKの旅行記〜芸術が溢れる街、東京編〜』

平日に学校を休んで2日間、東京に旅行してきた。 日本武道館で好きなアーティストがライブをすると知った日から平日など気に留めずチケットを応募した。 すると運良くアリーナの8列目のチケットが当たり、3ヶ月前からこの日を楽しみにしていた。 親がせっかく行くんだから、翌日も東京に泊まって観光して帰ろうと言ってくれたので2日間の旅行になった。 電車に乗ることが好きな私は、新幹線で約3時間ほども時間を過ごせることに感動した。 いざ乗ってみると酔いやすい体質もあり、少し辛かったが

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函館郊外 津軽海峡沿いの浜に マグロの大群がおしよせた 浜に打ちあげられ暴れるマグロを 折れ曲がった長いこん棒で、叩いた 明治から大正にかけ こんな大漁が4回あり 一晩でまぐろ成金となった 網元もあった 一本釣りとか延縄でマグロ1尾を 追いかける今の世とは隔世の感がある

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「母という呪縛 娘という牢獄」(著・齊藤彩)を読み、毒親問題の原因と「毒が連鎖する」その原因を考えてみた

仕事で毒親問題について調べているときに、齊藤彩さんの著書「母という呪縛 娘という牢獄」の存在を知った。 「滋賀医科大学生母親殺害事件」の加害者である女性を、ジャーナリストの齊藤彩さんが取材し作り上げた渾身の一冊。 本の内容を知るうちに「これは読まねば」となって即購入した。 印象的なのは、何度も出てくる母と娘の生々しいLINEのやりとり。 娘の自由な生き方を一切認めない毒母はLINEでしばしば「あんたは私を不幸のどん底に落とした」「私はだまされた」といった、いかに自分が

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『マティス 自由なフォルム』

ロザリオ礼拝堂 昔々、フランスに旅したとき 南仏のロザリオ礼拝堂を訪れたかったが 時間がなくて果たせなかった覚えがある 新国立美術館で その礼拝堂が再現されていると聞き いの一番に駆けつけた マティスは第2次大戦の戦火から逃れるべく ニースから近いヴァンスに移住 そこの修道院の求めで 礼拝堂の立ち上げにたずさわった このとき、マティスは切り絵を制作し 建築家、ガラス工、陶工など さまざまな職能集団を動員した マティスは 「この礼拝堂は、私にとって一生の仕事の集大成で

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タイトルがつけられない

閉店1時間前に現れた親子。 小柄な母と大きな息子。 なぜそんなに?と思うほど、みょうにへりくだった口調の母親が気になった。 『あのぉぉぉ、すみません、こちら何時までですかぁ?』 閉店時間を告げると、 『あぁぁぁ、よかったぁ、まだ1時間ありますね〜、ありがとうございます、ありがとうございますぅ』 『まだ時間あるって!間に合ったね!よかったね〜!』息子に言った。 まじまじと親子を見る。 20歳前後の息子さんは、何か障害があるのだろう。 親子は、揃いのお手製マスクをしていた。

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悩ましい

また悩ましいお客さんがいらっしゃいました。 OK!カモン! 60代くらいかな?男性。 (あなたのお口元、それは、、、どうなっているのですか?マスクを何枚重ねてますの?) 複数枚の布を厚く重ねたマスクのトップはアベノマスク。 私の目には、重ね付けで盛り上がっているマスクしか目に入ってこない。 菌に対しての、並々ならぬ用心深さなのか?その存在感ありすぎる重ね付けマスクのせいで、男性の話しがなかなか聞き取れない。 『はっ?えっ?はいっ?なんですか?』   (やっと聞き取れたとおも

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【実話】クリスマスの夜に

真夏のいまに真冬の話を(以下 約1,400文字)。 いまから7年前の2017年12月23日。 この日は土曜日で天皇誕生日だったと思います。私は忙しくて出勤し、夜遅くまで仕事をしていました。ですからこの日付は覚えています。 仕事を終えての帰宅時、地下鉄を途中下車して独り通天閣の下へ。 タワーの足元に広がる新世界の街の中の小さな居酒屋でちょっと飲んで食べて、すでに時刻は22時をまわっていたと思います。 私は再び家路へとつき、地上に口を開けた地下鉄「恵美須町」駅入口から地

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好きなものすらろくに紹介できない人間なりの好きなもの紹介

自分の本棚に並んでいるものランキングをつくってみる。 第5位 自己啓発系 (より良い生き方!みたいな) 第4位 英語の本 (参考書ではなくスヌーピーの漫画とか) 第3位 知識がつくお役立ち本 (美容やら健康やらお金やら) 第2位 過去の専攻分野に関する本 (難易度の超低いもののみ) 第1位 エッセイ (エッセイ。) 全ての悩みは対人関係に関わるもの!というアドラー的に考えると、 ここがたったひとり自分しかいない世界だったのなら5、4、3位はマイ本棚に並べられていな

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啄木はローマ字日記で赤裸々な内面を さらけ出し小説家になった、と ドナルド・キーンは語る 函館の図書館に秘蔵の自筆原稿は 整ったローマ字で書かれ 消しや変更がない 買った娼婦の名も露わに記す 妻節子に読ませたくないと ローマ字で書いた啄木 が、妻は女学校出でローマ字は読めた

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酒好き詩人の旅 「国境の長いトンネルを抜けると、雨だった」!? 新潟・古町の料亭 美女とあらわれた幻の銘酒「越乃寒梅」 古き時代の辛口 冷の寒梅 独逸の白ワインの如く 酒こそ その土地の固有の文化なり 越後の野と山が車窓を流れ 昨夜の越乃寒梅があらわれた 日本酔夢行

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今年一番よかった上半期の一冊

この夏、ホロカトマム山林で2週間、ひたすら虫を見て周る「昆虫類調査オーバービュー」を予定しているので、ここ数年間温めてきた虫への興味はゼロ地点から始まり、ゆるゆるどんどん高まってきています。 そんな中、走りながらAudibleで本を読んでいる(聴いている)という山帆さんの記事に出会います。 こちらで紹介されていた前野ウルド浩太郎さんのこの本を迷わずピックアップ、これは良さそう。 はい、朗報です。そこの虫嫌い、虫苦手の女子、あなたの知らない世界が存在しているのです。いや、

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【ノンフィクション #01】ないがしろにされたコミュニケーション。果ては暴言も。

唐突ですが、障害を持つ方々が就労移行支援に求めるものはなんでしょうか。 多くの方は働くために必要なスキルを身につけるトレーニングで利用したいであったり、就職活動のサポートを受けたいを目的としていると思います。 利用者に就職してもらうことが目的の施設なので、それらは当然なことです。 しかし、そういったスキルの習得や就活のサポート、いわゆる職業訓練としてのサービスばかりで、福祉の部分である利用者への寄り添いが軽視されたら…。 例えばスタッフが利用者の障害特性を理解してくれ

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