暴言・暴力的表現・脅迫的表現・人死表現注意

ショートショート#32 最高の夏の思い出

この輝きは一瞬だったとしても、私は一生覚えているんだろうな。

みんなで行った海の青さとか、白い砂浜、溶けるような暑さ、生き返るような水の冷たさ。

この夏は、生きていてこれまでの中で最高の夏だった。

大人になって、この日を思い出すとき、寂しくなる。そんな予感がする夏だった。

アイカがアイスクリームを落としたこととか、ユメの水着が脱げたこととか、モエのサンダルが脱げたこととか、馬鹿みたいに笑っ

もっとみる
励みになります!
3

ショートショート#28 もっともさえた殺し方

玄関を開けて、夜の空気を吸う。

空気は、肺を貫くように冷たい。

アパートの階段を下りて、空を見上げると満月だった。

車のドアを開けて、暖房をつける。

グローブボックスには数カ月前に買った拳銃がある。

試し撃ちは購入時に1回しただけで、それ以来撃っていない。

本当に撃てるだろうか。

決めたことをやるしかない。

グローブボックスを閉じて、車を発進させた。

しばらく走らせてから、高速に

もっとみる
励みになります!

ショートショート#16 超能力者がやって来る

ボクは超能力者なんだ。と転校生は言った。

あーやばい奴が来たとクラスメイトは白けていた。

だが、その裏で僕だけが怯えていた。

通常人(超能力が使えない人)は知らないが、超能力者の間では戦争が始まっていた。

通常人と交わるか通常人と交わらないかの考えの違いから、お互いがお互いを殺し合う血みどろの戦いだ。

僕がこうして学校にきているのは、通常人と交わる派閥だからだ。

転校生も同じ派閥だと思

もっとみる
あなたが神だったのですね
7

ショートショート#14 切り払うは風

怒声を上げて切りかかる無様な侍を切る。

声を上げるから気配が察知できるのに何故声を上げるのだろうか。

彦丸は無様な侍を斬る払った後、血と油を振り払った。

道場破りをして、呆気なく道場主を切り払った後、門下生共に襲われていた。

優に百人はいるであろう敵を前に、彦丸は笑う。

一対一の仕合では得られない高揚を感じていた。

彦丸は自分の刀の腕に自信があった。負け知らずで一刀の下に切り伏せてきた

もっとみる
感謝……! 圧倒的感謝しかない……!!
1

ショートショート#13 殺し屋の会話2

「え、いやいや何もしてないって。結局刺殺くんとは何もせず帰ったよ」

「もう一軒行ってたのに、その後なにもなかったの?」

「うん。だってさ、ラーメン屋に行かされたんだよ。フツーはバーとかそういうのに行かない? でもラーメン屋だよ。しかも二郎系ね」

「あーそれはやだね」

「でしょ? しかも俺が奢るよ。と格好つけてんの! 奢るよじゃねーよ。その前に食べられないんだってお腹いっぱいで! 仕方がない

もっとみる
頂戴します
8

ショートショート#12 殺し屋の会話

「昨日その後どうだった」

「いやー外れだね」

「でも茶髪の子ともう一軒行ったんだろ?」

「行ったけど、奢らされて終わりだよ。殺そうかと思ったわ」

「殺さなかったの?」

「殺す気が失せた」

「なんでまた?」

「あの子は撲殺屋だったんだよねー。刺殺屋の俺とはちょっとね」

「趣味が合わなかったんだ」

「そうそう。それにさ、俺より殺しのスキルあるから、多分仕掛けたら殺られてたし」

「だ

もっとみる
あなたが神だったのですね
13

あなたの人生を変える珠玉の一言 2

あなたは人との会話で損をしたことはありますか? 私はあります。ついつい言いすぎてしまうとか、「分かってないこと」を分からせたくて言ってしまう一言とか。

「対立」という言葉はあまりいい響きがありませんが、自分の意志を曲げてまで何かをしなければならないとき、そこに報酬があればその報酬をうまく設定することで自分の意志を曲げて何かをすることができます。世間ではそれを割り切りとか割り切ってなどという言い方

もっとみる
スキになっていただけてうれしいです!

おまけの小話 伝説は未来まで

結が伸介と結ばれた後、旅に同行したメンバーとの間でひと悶着があったが皆納得して二人を祝福する。

そして江渡の殿様の計らいにより二人は結の故郷の村で穏やかな暮らしをして生涯を過ごす。

その後結が亡くなった後も彼女を崇める信者達の信仰は変わることなく彼女の育った村に小さな神社が建てられる。

そして彼女のことを結姫(むすびひめ)と呼ぶようになりいつしか人々の間ではくくり姫と呼ばれるようになっていき

もっとみる
帽子屋「おや、有難うございます」

noteオリジナル番外編 賢者と呼ばれた少女と星読みの一族の男

これは邪神を討伐した後の出来事である。神子達の前から姿を消した刹那は一人森の中に佇む時の神殿まで帰ってきた。

「流石は、賢者と呼ばれるだけのことはありますね。神子様達を導き見事邪神を討伐されました」

「……」

時の神殿に入ろうとした時背後からかけられた男の声に、彼女は何も言わず振り返る。

「これにより邪神の脅威はなくなり、人々は安心して暮らせるようになりました。賢者様感謝いたします」

もっとみる
いもむし「有難うねぇ~」
1

番外編 本編第十章 主と護衛兵その二 譲れない想いに

それぞれが思い思いに時を過ごすこととなり弥三郎は宿として借りている部屋の机に向かい、この前買ったかんざしをどうやって神子に渡そうかと考えていた。

「失礼します。弥三郎様少々よろしいでしょうか」

「あ、亜人。丁度良かった。このかんざしを神子様に渡そうと思うんだけど、どうやって渡したらいいと思う」

控え目に戸が叩かれ亜人が入室してきたため笑顔で彼に相談する。

「……」

「?」

神妙な面持ち

もっとみる
アリス「押してくれてありがとう」
2