吐瀉物

「いつの日にか僕も誰かのゲロを片付けよう」

正月には、ある種、危険なものがありました。

なぜなら僕は今、ジョージアという国の料理を研究せねばならず、更には正月と言う名の、餅の大量消費月間の任務を、遂行し続けなければならず、このふたつの相反する食文化は、いずれも台所で行われるものであって、そこでは無限の飲酒が伴われるからです。
 

生地を捏ねたり、餅を茹でたりする間、この機会に、罠に陥って契約してしまった悔しいアマゾンプライムを、癪だから

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田中くん

気がつくと、私は後輩の田中くんに背中をさすられていた。
「ハクセキレイの鳴き声みたいに、華奢で愛らしい背中ですね。」
ハクセキレイ…?
おそらく褒められているのだろうが、正直それどころではない。私は気を失いかけるほど酔っていて、そして吐いているのだ。
ありがとうを言う暇も余裕もない。
口を開いたら吐瀉物の臭いを感じとられてしまいそうで開きたくもない。
「大丈夫ですか?先輩」
優しい声だ。
私がハク

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