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大学図書館の貴重書

こんにちは、ハシモト トショカンです。
本日も数ある記事の中からこの記事を閲覧していただき、ありがとうございます!

大学図書館には、各大学の特色によって様々な資料が所蔵されていますが、その中には「貴重書」と呼ばれる資料が存在していて、それらの資料は普段、鍵の付いた貴重書室で厳重に保管されています。(図書館によっては月替わりで展示している所もあります)

貴重書の種類には様々なものがあって、江戸時代の和綴じ本や巻物から、何百年も前の洋書や世界地図、さらには戦前・戦時中に発行された写真帖や極秘の資料など、所有している大学の特徴によってコレクションが異なるため、私の密かな楽しみとして、新しく大学図書館で勤務する時には、まず真っ先に貴重書のコレクションを調べるようにしています。

そのような貴重書を利用できるのは、基本的に学内者のみで、その多くはカウンターで「貴重書閲覧申請書」のような物を記入してもらって、館長の許可(と言いつつ、実際は「図書館司書になってしまった②」https://note.com/hashitosho/n/n3ef30e5ee837で書いた通り、実質的なトップの部長や閲覧課のトップの職員などの許可)が下りれば利用ができるという形になっています。

ただし、他大学に所属している方や一般の方でも、研究目的であれば、所属している大学や機関、最寄りの公共図書館等で紹介状を発行の上、閲覧できることがほとんどです。

貴重書の取り扱いは大学によって異なっていて、例えば

「利用する時には必ず手袋を着用してください」

という所もあれば素手で触ってOKの所もありますし、

「レプリカやマイクロがある場合にはそちらしか使わせません」

という所もあれば、マイクロ等があっても希望があれば原本を利用してOKという所もあったりします。

どこの大学でも大体共通しているのは、

  • カウンターから見える範囲の閲覧席で利用する

  • メモをする時には鉛筆で(ボールペンNG)

  • 原本の複写はNG

といった所ですかね。

これらは、学内の方であればカウンターで必ず説明しますし、学外者であれば、紹介状発行のための所蔵調査依頼を受け付けた際、回答の時点でお伝えをします。

にも関わらず、


めちゃくちゃあるあるの話なんですけど、紹介状で来館した他大学の教授とか院生の方が、かなりの割合で仰るのが、

「これって、コピーさせてもらえないんですか?」

…だから、

回答の時点で

ダメって

言っただろーーー!!!


…という気持ちは抑えて、「申し訳ございません、回答の時点でお伝えしているかと思いますが…」とできる限り笑顔で対応して、それで引き下がってくださるなら良いのですが、そこからさらに

「こんなにページ数が多いのに、書き写せる訳ないだろ!」

「コピーがダメなら、スマホで写真撮るなら本も傷まないしいいよね?」

なんて言ってくる方がいて…あっ、ここまで書いていて、一つ思い出しました。

私が経験した中で一番ヤバいと思った発言が、

「おたくら大層に"貴重書"なんて言って丁重に扱ってるけどさ、そもそも、こんな本、貴重でもなんでもないんだから、コピーくらい取らせてくれたっていいじゃない(笑)」

おおおおおい!!!

(笑)←じゃねえんだよ!

貴重書を

「利用させていただく」

立場で来ておいて、

他大学のコレクションを

「こんな本」呼ばわり

してんじゃねーぞ!!!


…ふう、すみません、当時を思い出してついカッとしてしまい、だいぶ言葉が荒れてしまいました。お詫び申し上げます。

単純に古い資料や貴重な資料というだけでなく、各大学さんの根幹であったり、アイデンティティとなるような大切な資料が貴重書です。

もし利用する機会があったら、そういった所もちょこっとだけ気に留めておいていただけると、図書館員としては嬉しいですね。

(最近は各大学図書館のHPで一部公開している所も増えているので、是非そちらも見てみていただきたいです!)

本日も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

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