拡がる国際化・グローバル化と世界における漫画の位置と価値

先日の漫画に関する勉強会+交流会で、
講師の先生が、思春期に入る頃に来日して、
「言葉はすぐにはわからなかったが、物語が伝わってくる漫画のすごさにとても感動した」という。

それを聞いて、改めてマンガの持つ力のすごさを知った。

なぜなら、言葉がわからないまま親の都合で来日した子どもの心を癒すことができるからだ。
これはマンガだけならす、絵本でも言えることだろう。その子自身の新しい言語を知るきっかけのひとつや身近な支えとなり、また、子ども向けの作品の持つ魅力的なストーリーがその子の心を癒すことにもなるだろう。
またその作品、マンガを通して、周りの子どもたちとお話をするきっかけもできるだろう。。

そういう、「子どもと、マンガ・絵本などの作品との良き関係性」は、これからもどんどん国際化・グローバル化が拡がる世界で、更に多くの子どもたちの心を救い、活躍していくこと予測する。


先生の受け持つ生徒の年代層も去ることながら、通う生徒の出身国の幅も広い。

いくつかの国の人も通っているらしい。
アジア圏とヨーロッパ圏が主だが、
話を聞いて更に興味を持ったのは、

ヒンドゥー教やイスラム教の生徒さんもいることだ。

これらの宗教は特に生活・暮らしと絡み合っているので、そういう生活がベースにある人はどういう風なマンガを作って、描いていくのかについて、興味を持った。


先生曰く「アジアの国々でも、マンガを描きたい人が増えてきている。」という。

私が今まで交流してきた外国の絵描きさんがマンガを描き始めていることにしても、
ブラジルの漫画家・マウリシオ・デソウサさんや、フランスの漫画家・レノ・ルメールさん、ベトナムの漫画家・TIEN DATさんなどの、現役プロとして世界で活躍している外国の漫画家の人たちも、
日本の漫画文化に憧れてSNS上で自分自身の描いたマンガをアップさせている世界中の人達も、

やはり世界中でマンガを描きたい人達が増えているのは確実である。


中欧の国の知人との話でも、
「私の小さい時は、外国からの子供向けのマンガしか本屋さんに置いていなかった。」という。
今でも大人向けのマンガはそんなに発行されていないそうだ。これからどう変わってゆくのだろう。
きっと中欧エリアにも漫画家になりたい人はいると思う。
そんな各国の漫画家になりたい人々が、自分の国や世界でどんどん活躍できるようになれれば良いと思う。



交流会が終わり帰宅してから、
海外のマンガ投稿交流サイトを調べてみた。
アート全般なら、DeviantArtなどの大手のSNSはあるが、
マンガに特化しているものは、アジア圏以外ではほとんどない。
昨夜の検索結果では、韓国をはじめとするアジア圏の国はちょこちょこ見られるが、それ以外の大陸、エリアとなれば、やはり数は少ないように思う。

フランスのマンガ投稿サイト「MANGADRAFT」というものを発見した。
言語はフランス語と英語を選択できる。
まだ詳しく中を読めていないが、どんなものかと興味を持ってきたので、追い追い調べていこうと思う。
ヨーロッパの中でもフランスは特にマンガについて拓けている国である。


日本のサイトではやはりpixivは、
世界の言語へ対応するサイトとしては最も先駆けていると思う。
日本語、英語、韓国語、中国語を選べて使用できる。
以前はフランス語とロシア語も使えたようだが、今は使えない。需要と労力の関係上、仕方ないかもしれないが、やはり残念には思う。

やはり世界共通語の英語を使えるのは強い。pixivの中でも、色んな国の人々がアカウントを持って、使ってるの何度も見かけた。
私自身、フランス人とドイツ人の友達がそこでできて、今も交流が続いている。

マンガ投稿サイトではないが、ヨーロッパやアジアなどでマンガやアニメをテーマにしたイベントが開催されていることも、時々話しに聞いている。


日本が先駆けているといえども、海外発のマンガ投稿サイトの新しい出現や、マンガやアニメに関係するイベントや社会における状況も、以前から記述しているように、将来、勢いよく世界各国で発展していくことだろう。




上記のそれらに、
それぞれの国の文化や歴史、国民性などが加わってくる。
それは、漫画を含む様々な作品にとって、独創性を加速させる大切なスパイスだ。
お互いをリスペクトし合う、キーにもなってくる。


国際化もグローバル化も、更にどんどん進化を続けるであろう。
もちろん、非常に楽しみでもあるが、
まだ見ぬ世界についていけるかどうかも、ふと考えとどまることもある。

それでも、

勉強を続けたい、視野を広げたい、できるだけアンテナを張っていたい、という想いと、

自分と向き合って、自分を理解して、一歩ずつでも歩んでいけたなら、

きっと、気づけばそこに立っていられるだろう。





赤城 春輔

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