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noteを投稿し始めてから5年が経ちました。 5周年記念として初めて有料の小説を投稿します。 …
「子どもを産んだ人はいい小説が書けない」と言われたのだった。 あまりの衝撃で唖然としてし…
前日の雨で桜の花はほとんど落ち、路面や水たまりに…
『小説すばる』本誌上でスタートした、歴代の新人賞受賞者によるリレーインタビュー企画。 …
前の日の雨で桜の花はほとんど落ち、路面や水たまりに散らばっている。泥にまみれた花びらを…
新宿の路地裏。サラリーマンの胸ぐらを掴んで突き飛ばす。 しばちゃんが倒れたサラリーマン…
北の夏は短い。 盆だというのに吹き込む夜風は涼しく、虫の声も秋を感じさせる。リビングの窓の網戸には、大きな黒い虫が張り付いて離れない。蛍光灯の光に引き寄せられてか、夕飯のカスがこびりついた皿の山に用があってか。 「おい」 テレビの前の父親に目を向ける。むっくりとした猫背のラインに、グレーのTシャツがぴったり張り付いている。野球観戦後そのままのチャンネルで垂れ流されるCMでは、最近人気の俳優が爽やかな笑顔をこぼし、ビールを飲み干している。 「一杯、どうだ」 夕飯の時か
家の中ではVAPE──ニコチンを含まない電子タバコを吸っているんだけど、たまに扱いをミスって…
本当に久しぶりだねえ。 車いすの膝の上にお盆を乗せながら、マキははしゃいだ声を上げた…
久しぶりにスーツケースとパスポートを用意する。 行先は日本から南へ3,210㎞。 パラオ。 * …
「おれ、悪魔をつくる方法なら知ってますよ」 横川はそう言って、デミタスカップからエスプレ…
隣の席よりも、斜め後ろの席がよかった。 学ランから浮かび上がる肩甲骨。夏服の袖から覗く右…
ずっと一緒だと思っていた恋は、いとも簡単に壊れてしまった。大切だと思うものほど、いつも簡…
この齢になっても、自分はぜんぜん大人じゃないな。私がそう思ったのは、ショッピングモールの床に大の字になって、泣き叫ぶ4歳くらいの男の子を見かけたのがきっかけだった。 『あのおもちゃがほしい』 『パパじゃないといやだ』 『大切にしてくれないと、ずっと泣くぞ』 うおう、うおうと泣いてじたばたしている男の子の心の声を想像して、私はつい自らを重ねた。私の心のなかにも、常に泣きわめいている小さな女の子がいる。ほしかったものを数えて、恨みがましく思い、わがままを言ってはふくれてい