【小説】週末だけのコーヒー店
どうせ別れ話に過ぎないのに、バーガーショップじゃどうしてだめなんだよ。俺が、金に困ってるのはよく知ってるくせに。三ヶ月付き合った「一応まだ恋人」の理恵は、俺の心中も察してくれず、数歩前をどんどん先に歩いて行って、その「週末だけ開いているコーヒー店」を目指していく。
目の前でひらひらとした薄紫のマーメイドスカートの裾が揺れて、健康そうなふくらはぎがのぞいた。俺は「こいつのこの服は、初めて見るな」とこの期に及んで、また余計なことを考えた。デートのときは、決まって、服を新調して現