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食べて笑って四季暮らし

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ごはんのひと皿をテーマにして1500字ほどのエッセイを書きます。ごはんの写真つき。
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記事一覧

ぶりと大根、ふたつの味

冬の大根は、まるまると白い。スーパーで太いのが何本も並んでいるのを見ると、少しわくわくし…

上田聡子
2年前
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似て非なるもの

私の実家から最寄りのスーパーで、お惣菜としていつも野菜の鶏肉ロールが置いてある。てりてり…

上田聡子
2年前
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ずっと探していたんだよ

子どものころ、クリームシチューにごちそう感や特別感があったか? と聞かれたら、私は「なか…

上田聡子
2年前
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港町の生まれだから小さい魚はさばけるよ

スーパーへ行って、その日のメニューを肉料理と決めていた日であっても、鮮魚コーナーに目を通…

上田聡子
2年前
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祖父と祖母のおかゆ

母方の祖父が2013年の年暮れに亡くなり、連れ合いの祖母も今年の梅雨時に逝った。ふたりが暮ら…

上田聡子
2年前
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想定外なことがいろいろ

そうめんをアレンジして食べたことは、大人になるまでなかった。実家では、もちろん夏になると…

上田聡子
2年前
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まだ熟れる時期じゃない

十代のころも、二十代のころも、小説を書きたいと思いながらも行動できなかった。どこかで「まだ書いていい時期じゃない」と不遜にも、また勇気のなさから思っていた。 たくさん小説は読んだ。読み漁っていた。だけれど、真っ白のノートや原稿用紙と向かいあうたび、本当に身がすくんでどうしたらいいかわからなくなった。 思えば、ゼロからイチを脳内だけで生み出そうとしていて、まったく思うようにいかず固まっていた。だから、十代や二十代で小説が曲りなりにも書ける、かたちになっている若い人のことを、

記憶のなかの夏の日のスープ

煮込み料理が好きだ。最近は鍋よりも大きなフライパンで作ってしまうことが多い。炒めてから煮…

上田聡子
2年前
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屋台の味を再現したら「ナマケモノ」と言われたあの日の旅を思い出した

大学を卒業してから、15年余りが経ってしまった。周りの友達はほとんどが母親になり、彼女らが…

上田聡子
2年前
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ひとくせもふたくせもある

くせの強い食べものが苦手だった。その最たるものはスコットランドでの新婚旅行で食べたハギス…

上田聡子
2年前
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