なつね

好きなもの。本と文字。パンとコーヒー。そらと太陽。そして、おいしいごはんと小さな幸せ。…

なつね

好きなもの。本と文字。パンとコーヒー。そらと太陽。そして、おいしいごはんと小さな幸せ。 仕事とは関係のない感情の記録とひとりごと。NPO職員をしています。

最近の記事

猫と日常と隣にいる君と。【小説】

「今日、道に猫がいてさ、同じ方向に進んで行ったら子猫がいたんだよ。可愛かった。」 自分のとなりで話を聞いている人がいる。 「へぇ猫、可愛いよね。」 返事が返ってくる。 誰が聞いても誰が話しても変わらないような日常にもほどがある日常の話。 こういう会話ができることがいわゆる日常なのかもしれない、とふと思う29歳7ヶ月。 今までの生活で、楽しかったことや面白かったこと、少し悲しかったことや残念だったこと、自分の気持ちや感情は日記に綴ってきた。それは今でも日課だ。 そん

    • ストレス発散って意味がないからストレスの原因を解決するように行動していると話しても理解されない話

      「ストレスの発散方法はありますか?」 面接などで聞かれる項目によくあるこの質問。 大学生になって「面接ではこういうことに答えるのか~」と思ったときに考えた回答はこうだった。 「ストレスはその原因を解決することが大事だと思うので、ストレスを発散するのではなく、ストレスになる原因を解決するように行動して、ストレス自体を溜めないようにしています。」 面接の練習をしたときに、「は?」って顔をされた。面接本番でも「・・・はい、では次の質問にいきます。」と、こいつ何言っているんだと

      • 浅葱色の花言葉【小説】

        「ね、私のこと面倒だと思っているでしょ。」  突然そんなことを言われても返事に困る。 「なんで?」  日曜の夜。夏の終わりが近づく季節。開けた窓からカーテンをさらって吹いてくる風が心地良く感じる。東京にいても感じられる身近な自然は夏の夜風だ、とふと思う。 「態度でわかる。」  そんなことを言われても、どこがどう気に障っているのか。付き合って二年半、同棲して半年。マンネリと言われても仕方ないほどには、お互いが隣にいることへの違和感はない。 「うん、ちょっと思ってる。でも、面倒な

        • セクシャリティなんて不安定なものなのに、どうしてみんな疑問を抱かずに生きられるのだろう

          子どものとき、落ち着きがないという理由で、実は男の子なのでは?と親に言われたことが何度もある。弟と性別が間違って生まれてきたのではないか、なんて。 (今思うと、これもジェンダーバイアスのかかった視点だけど。) 運動神経が鈍いから動くとすぐに怪我をするタイプなだけで、本の虫になるほど読書が好きで、常にアクティブだったかと言われるとそうでもない。 落ち着きのない特性が若干あり、落ち着き方が独特で、背が低いので椅子に座ると足が床につかない。そうすると、落ち着くために無意識に足をふ

        猫と日常と隣にいる君と。【小説】

        • ストレス発散って意味がないからストレスの原因を解決するように行動していると話しても理解されない話

        • 浅葱色の花言葉【小説】

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          他者への「怒りの感情」と「期待」が表裏一体であるかを考えて現時点でみえてきたこと

          怒ることあるんですか?ってよく聞かれる。 私は自称ご機嫌人間で、きっと人を怒らせてしまっていることにさえ気づかずに生きているかもしれない。 それくらい、怒の感情に無関心。 なんでですか?って聞かれていつもは、「怒るのって体力使うじゃないですか?私の少ないエネルギー使いたくないんですよね。」ってよく話します。 でもたぶん、怒る感情って期待と表裏一体で、私は期待の感情が薄いかもしれない。 あ、そういうことね。 あ、そういう人なのね。 あ、そういう感じね。 たぶん、実はと

          他者への「怒りの感情」と「期待」が表裏一体であるかを考えて現時点でみえてきたこと

          骨折の衝撃とそれでも回復する人間の凄さ-4-

          リハビリを開始して数ヶ月。 少しずつ普段の生活ができるようになってきた秋も深まるころ。 「もう、怪我したところがわからないくらい綺麗に治ったね。」と、リハビリの先生から嬉しいお言葉が。 担当の先生からも、「うん。もう十分曲がるようになったし、生活も支障はない?」「じゃあ大丈夫ね。」とお墨付きをもらった。 これにて、私の半年に渡る通院生活が幕を閉じたのでした。 * * * そして年も明けた現在。 手の動きが必要なものごとへの支障はなく、なんとなくの痛みも徐々に感じなくな

          骨折の衝撃とそれでも回復する人間の凄さ-4-

          骨折の衝撃とそれでも回復する人間の凄さ-3-

          2週間に1回の通院が2ヶ月続いた。 こんな時期に何をしているのか、と自分でも思いながら病院へ通い続ける。 電車の駅名が隣の駅と似ていていつも(どっちだっけ?)と思いながら、慣れない早起きをして、ぼーっと電車に乗り、外の景色を見て判断し、ホームへ降りる。 診察室でとうとう、「日中は外しましょう。」とサポーターを外す許しを得た。 嬉しい気持ちも束の間、「筋を伸ばしたままだったから、すぐに曲がらないし痛いと思うけど、しっかりリハビリしてくださいね。この後お願いしておくから。」と

          骨折の衝撃とそれでも回復する人間の凄さ-3-

          突然の大金の使い道を決め兼ねている自分について考えてみた結果、自己期待度が低いことに気づいた27歳の秋

          給付金の10万円が交付されて、数ヶ月経った。 何に使うべきか悩み続けていて、どうしてこうも決めかねているのだろうかと考えたところ、どうも自己期待度が低そうだ、ということに気づいた。 自己期待度は、私が勝手にいま思いついた言葉。言葉の通り自分へ期待している度合いのこと。 自己肯定感や自己有用感と並んで、自己期待度は使えそうな言葉だ。 本と文字が好きなので、周りの同世代と比べると、おそらく書籍への投資は多い方だと思う。 いわゆるビジネス書と呼ばれる本も多く手にするが、成長意

          突然の大金の使い道を決め兼ねている自分について考えてみた結果、自己期待度が低いことに気づいた27歳の秋

          結婚の選択への疑問と最近わかったこの違和感の正体を『窮鼠はチーズの夢を見る』から紐解いてみた

          ※作品を見ていない方は、ネタバレにご注意ください。 ※劇中のセリフを思い出して文字で羅列しています。 ※一言一句が同じとは言えませんが、内容が伝わる文章が多くがあります。 ※後半は作品の具体的なストーリーにも触れています。 * * * お前俺のこと好きなの? 結婚しててもいいって彼女が言ったんだよ。そう言われたら断れなくて。 俺と付き合いますか? なんで俺が男と付き合わなきゃいけないんだよ。 じゃあなんで仕事だなんて嘘ついたんですか。 ただ、お前とあいつはお仲間

          結婚の選択への疑問と最近わかったこの違和感の正体を『窮鼠はチーズの夢を見る』から紐解いてみた

          骨折の衝撃とそれでも回復する人間の凄さ-2-

          紹介状をもらった病院へ翌日すぐに向かった。 「痛いなー。でも手術でもっと痛いのは、もっと嫌だな、でも、ちゃんと治ってほしいな、治らなかったらどうしようかな。」そんな不安を抱え、満身創痍(といっても、利き手ではない目立たない指先なので、気持ちだけの話だけど。)のまま病院へ。 「あー折れちゃったんだね。転んで〜、はいはい・・・。」 先生は話を聞きながら、デジタルのカルテに、私のなんともダサすぎる怪我の記録を残していく。 「MRIも撮りましょうか、それで詳しく見てどうするか決

          骨折の衝撃とそれでも回復する人間の凄さ-2-

          恋をすることについて vol.6

          (*ネタバレ注意) 好きという気持ちを伝えること。 好きだという思いを受け取ること。 恋愛のかたちに答えはない。 そんな簡単に言われてもどうしても比べてしまう。嫉妬してしまう。 制度のせい?性別のせい?それとも、自分のせい? 何が感情を揺さぶっているのかはわからない、だけど、自分の気持ちに変化があるのは事実だと思う。そう思わざるをえないくらい、あいつのことを考えている。 人の感情はひとつではないし変わっていくもの。頭ではわかっていたけど、自分のことがわかっていなかった

          恋をすることについて vol.6

          2020/9/15感情の記録-この原点に立ち戻って考える細かく振り返る必要性-

          感情の記録を始めた理由は、仕事での振り返りをどうやって記録するかに悩み、noteを改めて使ってみようと思ったことからだった。 先日ふと、仕事の振り返りの方法を思いつき、実践してみて1週間が経った。 やってみて大事だと感じたのは、タスクをひとつひとつ細かく振り返る必要性。振り返りっていつも、全体を振り返って、とか、1日を振り返って、とか、時間も感覚も長いスパンで考えることが多かった。 でも私は、考えるものごとのスパンが長くなればなるほど、感想になってしまう、ということがわ

          2020/9/15感情の記録-この原点に立ち戻って考える細かく振り返る必要性-

          2020/9/13感情の記録-自然の威力に惹かれる自分の感覚と知識-

          ふと見かけたテレビ番組。 フランスの島にある活火山の撮影と紹介をしていた。 「おもしろそうだな」と感じて見ることができた自分を客観的に考えてみた。 * * * もともと理科の単元の中でも、地学に興味があった。 天体と宇宙が好きで、高校では文系に進むという理由で、天文学に触れられる地学を2年間も勉強した。 だけど、地質学にはあまり関心がなかった。土とか、岩とか、何がおもしろいんだろう・・・と思っていた。 だけど、中学校で得た知識に合わせて、高校でより学術的な話をしてくれ

          2020/9/13感情の記録-自然の威力に惹かれる自分の感覚と知識-

          骨折の衝撃とそれでも回復する人間の凄さ-1-

          4月。道で転んだ。その衝撃で指を骨折した。 痛いことが嫌いだから、一生のうちで絶対に経験したくないと思っていた骨折。 こんな歳になって転んで骨を折るなんて思ってもいなかった。 * * * ちょっと急いで歩いていた。 寒さで手足の感覚があまりはっきりしていなかった。 あまり歩かないからとパンプスを選んだ。 いろんな要因が重なった結果、片方のパンプスが脱げた。 「あっ」と思った瞬間、もう転んでいた。 隣を歩いていたおじいちゃんが、「おいおい、大丈夫かい?」と声をかけてくれて

          骨折の衝撃とそれでも回復する人間の凄さ-1-

          2020/9/10感情の記録-感情の変化が起こりづらい自分に対する考察とか振り返りとか-

          私は今就活の、あなたを植物に例えたら?という質問があったら、「サボテン」と答えようと思っている。それは、大人になってから職場でそう言ってもらえることが増えたので、自信をもってそう答えられるなと最近は考えている。 「私、サボテンなんです〜」 と、最近はよく言っている。 サボテンは、自然の環境に合わせて変化していって、水や栄養のない中でも、変わらずに咲いている植物。それが、私の動揺しない感じとか、環境に左右されない感じとか、いつも強い感じとかに似ていると言ってもらえた。

          2020/9/10感情の記録-感情の変化が起こりづらい自分に対する考察とか振り返りとか-

          2020/9/9感情の記録-東京への憧れと現実とそれでも感じる東京らしさ-

          子どものころ、会社から帰ってくる父が、スイーツやおやつを持って帰ってくる日がたまにあった。会社帰りに、当時は自分は食べもしない商品の並ぶお店に、立ち寄っていたんだろう。 仕事でベットタウンである街から都内へ出ていたので、子どもの私たちきょうだいは、その「東京」への憧れもあって、素敵なものが溢れる街だと思っていた。 私たちも、都心へ出ることはあったが、電車で母とふたりで出かける少し特別なお出かけのようなもので、そのときは、行ったことのないレストランへ行ったり、留守番をしている

          2020/9/9感情の記録-東京への憧れと現実とそれでも感じる東京らしさ-