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骨折の衝撃とそれでも回復する人間の凄さ-1-

4月。道で転んだ。その衝撃で指を骨折した。
痛いことが嫌いだから、一生のうちで絶対に経験したくないと思っていた骨折。
こんな歳になって転んで骨を折るなんて思ってもいなかった。

* * *

ちょっと急いで歩いていた。
寒さで手足の感覚があまりはっきりしていなかった。
あまり歩かないからとパンプスを選んだ。

いろんな要因が重なった結果、片方のパンプスが脱げた。
「あっ」と思った瞬間、もう転んでいた。
隣を歩いていたおじいちゃんが、「おいおい、大丈夫かい?」と声をかけてくれている。

恥ずかしい。
恥ずかしすぎる。

「大丈夫、大丈夫です。」

手のひらの傷を見せながらそう答える。
脱ぎかけた靴を無理やり履こうとしたときに、強打したつま先の痛みのことは言わずに。

「ああ、これくらいならね。綺麗に洗ったら大丈夫。」

そう言って去っていくおじいちゃん。
優しい言葉をありがとう。

そう思って、どうにか目的地まで行って、そこにいた人に事情を話す。
消毒などをしてもらいながら全身の状態を確認する。

なぜか指がまっすぐにならない。
寒さや痛みのせいじゃない。何かが変だ。

「病院に行こう。」そう提案をしてもらい、外科の病院へ。

レントゲンだけでなくエコーで内部まで検査。
「え、めっちゃ痛いんですけど。いったーいです。」
「ごめんね〜、よく見えないな〜これですよね〜?」

え、先生たちお兄さんにしか見えないけど、研修医じゃないよね?
お医者さんですよね。かっこいいな、先生。

そんなことを考えながら、検査を受け続けていると、さらに衝撃の話が続く。

「筋につながっている骨が折れちゃってるのね、今。で、治す方法は2つ。このまま、まっすぐに固定をして自然に骨がつくのを待つか、手術をするか。」

手術、、、、。骨折をしたら手術までするのか。手術、痛そう。物理的に針金を刺して固定をする治療らしい。そんな見た目も痛そうな治療、嫌すぎる。でも、保存治療は時間もかかるし、痛みが長く続くとのこと。

「どうする?」

どうするって言われても、どうしたらいいものか。

「保存治療と手術で、治り方にどのくらいの違いがありますか?確実性の割合の違いというか。」

我ながら、そんな状態で、冷静にいい質問をしたなと思った。

「そうだねー、手術の方がしっかり固定はできるんだけど、欠けた部分が小さいからね、実際どっちがいいとは言い切れない。」

それさえもかっこよく判断を私に任せてくるのが医者!そう選択肢は患者にある!

「そうですねー、どうしようかな。」そう悩んでいると

「テノゲの先生に診てもらうといいかもね。僕たち手の専門家じゃないからさ。紹介状書くから、それ持って行って、ちゃんと診てもらって、相談するといいかも。」

さらっとそう言った。テノゲって専門用語?よくわからないけど、確かに専門の先生がいるなら、セカンドオピニオンは大事だ。そうしよう。

「あ、ありがとうございます。そうですね。そうします。」

そして2つ目の病院への紹介状を待つ。
テノゲ・・・手の外科か!外科の中でも、心臓外科とか、神経外科とか、整形外科とかがあるように、手専門の外科もある。すごいなぁ。

そんなことを思いながら、紹介状を受け取って帰宅した。


(話が続きそうなので少しずつ続編を蓄積します。)

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