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日記

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「新しい一年」は昨日の続き

「新しい一年」は昨日の続き

 今年の年末は、初めて両親の家にも親戚の家にも行っていない。「年末年始」なるものに抗っている。一人でいると不安で仕方なく、仕事が始まるの嫌だなとか、年末の仕事でミスしていたらどうしようとか、お金ないなとか際限なくネガティブなことが浮かんでくる。家にいると時々どうしようもなくなる。
 それでも、親や親戚には悪いけれど、一人で過ごす年末年始はとても居心地がいい。私の両親はとんでもなくいい人だし、二人の

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あの本は 日記2023/03/06

あの本は 日記2023/03/06

 街を歩いていて、出版社を見つけた。看板を見たとき、あ、と声が出た。小さいころ読んだ本のタイトル、外国の作者の名前。あの出版社が出していたはずだ。こんなところにあったんだ、近づいてとまじまじと見てしまった。小さいころ、会社というのは皆東京にある大きなビルのものだと思っていたけれど、その会社はこじんまりとしていた。ここか、としみじみ思った。何度も読んだ本なんていくつもあるのにその1冊をよく覚えている

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日記

日記

 大学院修了が近づくにつれ、疲れやすくなった。どこにいっても男性中心社会で、心がすり減る。松田青子『持続可能な魂の利用』で、魂はすり減るのだと書かれていた。本当にその通りだと実感している。すり減る、という表現はぴったりだと思う。何かをしたいのに、する元気はない。また社会と対峙しなければいけないと思うと床にくずおれそうになる。映画と本でなんとか延命しているように思う。ツイッターでつぶやけば、ほとんど

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何もしたくない日

何もしたくない日

 「今日は何もしなかった」。

「何もしなかった」。私の定義は、差し迫っていることをやらなかった、スマホとパソコンをだらだらと見ていた日のこと。

 子どもの頃、母親が買っている雑誌をよく読んでいた。その雑誌の連載に、「女子には何もできない日が月に一度来るのだ」と書いている作家がいた。詩人だったかもしれない。7歳の私にも何となくわかる気がした。女子だからというか、「何をやってもだめな日」は月に1度

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積ん読の存在感を濃くした

積ん読の存在感を濃くした

 2日間、部屋を整理していました。去年も同じ時期に大掃除をしたはずなのに部屋はごっちゃごちゃ。気が付くと私はずっと掃除ばかりしている気がする。集めていた切手やポストカードを見ながら、モノが大量にあるのは自分の収集癖のせいなのではと思った。集めることが好きなうえ何でも取っておいているのだ。例えばポストカードは、好きなイラストのものに加え「これは自分の趣味ではない」というものまで律義にとってあるのでご

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オンライン授業が始まった

オンライン授業が始まった

 帰国して1か月以上たち、ついに留学先の大学のイースター休暇も終わった。オンライン授業に移行し、留学生も受けられるということで、続けることにした。

 

 イギリスの大学の授業は「レクチャー」(講義)と「セミナー」の2つで構成されている。レクチャーで理論を学び、セミナーでディスカッションをするという流れ。
オンライン授業になってからは、「レクチャー」のビデオが大学のページにアップロードされていつ

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タイミングの悪いひと

タイミングの悪いひと

 タイミングの悪い人間である。どうしようどうしようと思って待っているうちに、最悪のタイミングで行動してしまう。車が通りすぎるのを待っているうちに、道路を渡るタイミングが掴めなくなり、車がくるその瞬間に足を踏み出してしまう。轢かれそうになって運転手に睨まれる。

モノを買ったその直後で、同じものの安いセール品や中古品を見つける。

ぼーっとしている内に、安い航空チケットを買い逃す。

人が忙しい時、

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シリーズ映画のファンになりたい

シリーズ映画のファンになりたい

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』観てきました。
終盤が胸アツで、あー面白かった、と思ったものの、『スター・ウォーズ』シリーズ自体にそんなに思い入れはありません。新3部作も『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』と母に連れていかれただけなので、最後も映画館で見届けるか……という。話も用語も覚えていないし。急に、シスが~とか言われても、「シスって何……??」って思う(何もわかってない)。

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文学専攻大学生のふまじめな履修フロー

文学専攻大学生のふまじめな履修フロー


大学で勉強するって何だろう、とずっと考えながら3年間大学で過ごしました。今まで勉強したことを振り返ったり、卒論のことを考えたりしながらまとめたnoteです。

履修がどうのこうのという話が長くなったので、取り敢えず履修を組むときに考えていることを簡潔にまとめました。これから大学に行く人や1年生の参考になれば。そのあとの話は長いです。

※ブログにも同じ記事を載せています

真面目な話

自由に授

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箱のなかのわたしと 『橋からの眺め』

箱のなかのわたしと 『橋からの眺め』

私の名前には、「視野を広く持てる子になるように」という願いが込められていると知ったのはいつだったか。
その時は、けっこういい名前だな、と思って気に入っていた。

今でも自分の名前は好きだ。聞き取ってもらいにくい名前だけど。
ただ、「視野を広く持つ」のはかなり、かなり難しい。「井の中」から出られて、大海に行けた!と思ってたら池ぐらいだった、の繰り返しである。

特に私は「自分の世界」を大事にしてそこ

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ミシェル・ティー

ミシェル・ティー

作家のミシェル・ティーの講演を聞くため、シェフィールド大学に行ってきた(シェフィールド大学はOff The Shelfという名前で、あらゆる作家や映像作家を呼ぶイベントを開催している)。

ミシェル・ティーの作品を初めて読んだのは今年の冬だった。『ヴァレンシア・ストリート』は近くの図書館になく、わざわざ取り寄せてもらった。グーグルで「ヴァレンシア・ストリート」と検索すれば、私のブログが1ページ目に

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誰もが勉強しやすい場所であるために

誰もが勉強しやすい場所であるために

大学、というか学校は、誰もが勉強しやすい場所であるべきだ。そう言われて、反対する人はいないと思う。むしろ、当たり前のように思える。

ただ、本当に「勉強しやすい場所」であるかどうかは、意外と分かりにくい。自分にとっては居心地の良い場所でも、他の誰かにとっては違うかもしれない。「普通は○○だから大丈夫だろう」「こうあるのが当たり前」と思えば思うほど、誰かにとっての不自由を想像しにくくなると思う。

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