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積ん読の存在感を濃くした

 2日間、部屋を整理していました。去年も同じ時期に大掃除をしたはずなのに部屋はごっちゃごちゃ。気が付くと私はずっと掃除ばかりしている気がする。集めていた切手やポストカードを見ながら、モノが大量にあるのは自分の収集癖のせいなのではと思った。集めることが好きなうえ何でも取っておいているのだ。例えばポストカードは、好きなイラストのものに加え「これは自分の趣味ではない」というものまで律義にとってあるのでごちゃごちゃとしているのだ。


 その気づきのせいか今回はだいぶ整理がついた。でも、本はあまり捨てなかった。本が大量にあるというより、片付け方が無造作なせいで汚く見える。それに段ボールの中には買っただけで読んでいない本が眠っている。部屋に来た母の「はるかの部屋って本屋みたいでつい見ちゃうんだよね」の一言で思いつき、段ボールに溜め込んでいた本を出してみることにした。本屋さんのように見えやすくするのだ。プラスチックケースを立てて簡易の本棚を作り、本棚代わりにしていた棚の引き出しの一部も抜き取った。この引き出しを床に置き、引き出しがあった部分にも本を入れることで収納スペースは2倍。引き出しの方は「積ん読」専用にした。

こうして、「買っただけで読んでいない本」は可視化されたわけです。

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計14冊。内途中まで読んている本が6冊だ。


『荊の城』(サラ・ウォーターズ 訳:中村有希)

19世紀のイギリスを舞台にしたレズビアン小説。設定を日本占領下の朝鮮に翻案した映画『お嬢さん』がとっても面白かったので買いました。まだ主人公がお嬢さんに会ったところまでしか読んでいない。


『うしろめたさの人類学』(松村圭一郎)

これは確か大学の同級生から買った。ミシマ社の本、カバーがいつもシンプルで綺麗ですよね。でも買ったの2年前の気がする……。


『Milkman』(アナ・バーンズ)

1年前買った小説。冒頭の一文が不穏。2ページ読んでから進んでいない。


『才女の運命 男たちの名声の陰で』(インゲ・シュテファン 訳:松永美穂)

一番最近買った本。帯の文「『ミューズ』の美名のもとに、男性から社会的・創造的搾取を受けてきた女性たちを呪縛から解き放つ名著、待望の復刊!」(鴻巣友希子)を読んで買おうと思いました。ケイト・ザンブレノの『ヒロインズ』もそういう本だった。


『時間と自己』(木村敏)

これはカフェで見た雑誌で紹介されていて買った。紹介していた人の名前を忘れてしまった……けれど、同じくおすすめされていた尹雄大『脇道にそれる』はとっても面白かったです。


『A Journal of the Plague Year』(ダニエル・デフォー)

イギリスでPlague(ペスト)が流行した時の様子を綴った本。読まなければ……でも今読むのツライ……のところを逡巡している。


『死の家の記録』(ドストエフスキー 訳:工藤精一郎)

これも読むの辛い。


『Playing to the Gallery』(グレイソン・ペリー)

「アートについての考えを全てひっくり返す本」と書いてあって気になってます。


『ギリシャ語の時間』(ハン・ガン 訳:斎藤真理子)

これも買ってから2年くらい経っているかもしれない。背筋を正して読まないと、と肩に力が入っていて勝手にハードルが上がっていく。


『Little Women and Good Wives』(ルイザ・メイ・オルコット)

グレタ・ガーウィグ監督『若草物語』を観た直後に本屋で買ってしまった。


『Carry on』(レインボー・ローウェル)

レインボー・ローウェルの『エレノア&パークス』がとっても良かったので……。


『21 Lessons for the 21st Century』(ユヴァル・ノア・ハラリ)

もらった本。10万円の給付金の使い道の一環として買ってくれたそうで、読んだことない分野の本だけれどなぜか縁を感じる。


『Against Memoir』(ミシェル・ティー)

前にnoteにも書いた講演会に合わせ買った。ミシェル・ティーの本の邦訳がもっと出て欲しい。


『ライフシフト 100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン アンドリュー・スコット 訳:池村千秋)

これももらった本。



 小遣いや親に頼み込んで買っていた幼少期は図書館で借りてから面白いと思った本だけ、吟味と熟考の上で買っていた。けれど一回、目を付けていたミステリシリーズをコツコツ買い集めている内に出版元が倒産し、そのシリーズがあっという間に書店から消えてしまった。
紙の本はいつか書店から消えてしまう。インターネットの文献も投稿者が削除すれば消えてしまう。でも本は少なくとも自分が保管しておけば1冊は近くに残る、ということでなるべく買うようにしている。



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